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TOKYO逸品:「えぽっけ」 飾れる、しまえるポケットフレーム

培った技術は、業界不況下でも必ず生かせる

 戦後まもないころから70年を超えて、辞典や写真集などの製本に携わってきた会社です。機械だけに頼らない手仕事での技術も、廃れさせることなく継承してきたとも聞きました。ところが21世紀に入って出版不況が業界を襲います。どうするか。
 同社はその技術を生かし、2016年に高級で仕様にも凝ったノート「BOOK NOTE」を出します。初めての自社ブランド商品でしたが、これがヒット。さらにウェブサイトやSNSでの発信に力を注ぎます。すると、もともとの主力事業である製本の相談が全国から届き始めた。見積もり依頼は以前の20倍になったそう。つまり「BOOK NOTE」を開発したことが状況を変えたのでした。
 で、ここからが本題です。次の一手は…。子ども向けの絵描きキットをつくれないか。でも、子どもは絵描き帳のページ順に使うとは限らないと気づきます。だったら…。「ページを綴じることから離れよう」と考えた。製本会社なのに製本から遠ざかる決断をしたという話です。そして昨年完成した新商品はこうです。絵や折り紙などを自在にしまえるポケットフレーム。それを最大18枚までゴムバンドで括れます。で、絵を単にしまっておくだけではなくて、フレームごと1枚ずつ飾れもする。
 発売したら、これに写真を収めたいという大人の注文も…。ありそうでなかった商品は、思わぬ層をも振り向かせました。

商品情報

商 品 名 えぽっけ
企 業 名 渡邉製本株式会社(東京都荒川区)
WEBサイト https://www.booknote.tokyo/epocke

語り手

北村 森(キタムラ モリ)

1966年生まれ。「日経トレンディ」編集長を経て独立。
消費トレンド分析、商品テストを専門領域に活動。
サイバー大学IT総合学部教授(地域マーケティング論)。

SNS:https://www.facebook.com/mori.kitamura/
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企画管理部 企画課
TEL:03-3251-7897
E-mail:kikaku@tokyo-kosha.or.jp