TOKYO逸品:「MAJIN」 肉専用 超極厚鉄板
よそになかった製品を、設備投資なしで…


厚い! 重い! 肉が旨い!
150×240mmとB5サイズのノートより小さな鉄板ですが、その厚みは19mm。そして5kgもあります。「人が両手で持つにはこれが限界でしょうね。厚さ20mmを超えると重すぎて笑えません。『重てえ!』と笑って運べるぎりぎりの線です」。そこに意味のある19mmだったのですね。個人がアウトドアで使うような鉄板は6mm程度が一般的です。蓄熱性能がケタ違いだからでしょう、安価な輸入牛でもこれで焼くと大化けしました。
創業半世紀を超える鉄工所が世に送り出した製品です。「鉄の厚板の価値を高めたい。いや、まず厚板を知ってほしい」との一念で開発したそう。レーザーでは切りづらいため、注文が入るたびに職人さんがガス溶断で加工していると聞きました。鉄工所として培ってきた得意技術を生かしているのですね。
この鉄板、荒々しい質感がまた魅力的に映ります。「表面処理をかけず、黒皮と呼ばれる酸化皮膜を残しています。錆びにくいというのが利点です」。ここにも意味がありました。
発売から1年強で約1000枚が売れました。「想定外でした。100枚売れたら面白い、と思っていた程度でしたからね」。鉄工所にすでにいる人材、すでにある設備を活用して成果を出した。その点でも、とても痛快な製品であるなあと感じさせます。

商品情報
商 品 名 | MAJIN |
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企 業 名 | 石道鋼板株式会社(東京都江戸川区) |
WEBサイト | https://sekidou.thebase.in/ |
語り手
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北村 森(キタムラ モリ) 氏 1966年生まれ。「日経トレンディ」編集長を経て独立。 消費トレンド分析、商品テストを専門領域に活動。 サイバー大学IT総合学部教授(地域マーケティング論)。 SNS:https://www.facebook.com/mori.kitamura/ |
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