TOKYO逸品 ~企業が歩んだ物語~
「U-SHOT(ユーショット)」
一枚張りの折り畳み傘
ものづくりに進化のないままでよいのか


スマホなどで撮った写真を折り畳み傘の全面に印刷可能で、自分だけのオリジナルの一本を手にできる、という商品です。オーダーから完成品が届くまで1カ月〜1カ月半。ペットの画像や旅の風景を収めた画像などを使うお客さんが多いほか、企業からはノベルティグッズ製造の問い合わせが続いているそう。
ただ写真を傘に印刷できるという話ではありませんでした。この傘、何枚もの生地を骨に沿って縫い合わせるのではなくて、一枚張りなんです。だから印刷した図柄にズレが出ない。折り畳み傘ではずっと無理だったのをなんとか成就できたらしい。しかも傘の先端に穴はあいておらず、正真正銘の全面一枚張り。
これなら図柄のズレが生じないのに加えて、使っているうちに雨が漏れてくるのも防いでくれますね。そのかわり、職人が仕上げるのに3時間以上かかると聞きました。普通の折り畳み傘の3倍を要します。それでも商品化を決断しました。
なぜか。「傘に進化がないのをなんとかしたかった」からだったといいます。1949年の創業から傘を扱い続けている同社にとって、そのことが我慢できなかった。だったらどうする?
答えを求めた結果のひとつが、この折り畳み傘の仕様でした。「まだやれることはあります。例えばドローン型の傘があったっていいじゃないですか」。代表は力を込めてそう語りました。

商品情報
商 品 名 | U-SHOT(ユーショット) |
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企 業 名 | 株式会社東京丸惣(東京都中央区) |
WEBサイト | https://www.tokyomaruso-uvion.com/u-shot |
語り手
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北村 森(キタムラ モリ) 氏 1966年生まれ。「日経トレンディ」編集長を経て独立。 消費トレンド分析、商品テストを専門領域に活動。 サイバー大学IT総合学部教授(地域マーケティング論)。 SNS:https://www.facebook.com/mori.kitamura/ |
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