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TOKYO逸品 ~企業が歩んだ物語~

「蛇腹便箋レターセット」
好きな位置で切り離せる便箋

歴史を刻む原画が、21世紀に光を放った

 榛原は、1806年から一貫して和紙を取り扱ってきた日本橋の老舗です。そんな同社が創業2世紀を過ぎた2009年に発売したのが、この「蛇腹便箋(じゃばらびんせん)」でした。
 和柄をあしらった便箋には等間隔にミシン目が入っていて、望む位置で切って使えます。一筆箋のようにして短いお礼をしたためるのにもいいし、長い手紙を綴ってもいい。ありそうでなかった形の商品と表現できます。思いのほか便利ですし、手書きだからこそ気持ちをそこに込められると再認識もしました。
 なぜこの商品を? 同社の財産は長年扱ってきた紙であると同時に、さまざまな柄の原画にあるのです。「昔ながらの原画はデータ化して、新たな商品づくりに生かしています」。その一環として登場させたのが、この便箋だったという話。さらには巻き紙や計測記録用紙の開発で培った技も、この蛇腹便箋に取り込んだそう。ああ確かにそれらを彷彿とさせるつくりです。
 面白いと感じたのは2つ。まず、いにしえの原画が新鮮に映ること。便箋へのレイアウトの妙によるものでしょう。そしてもう1つは、同社オリジナル以外にもOEMによって古参ホテルや大学などの蛇腹便箋が多数登場しているところ(下写真)。その数は100を超えるといいます。「OEMの仕事には、私たちが持っている図柄以外を使えるという楽しさもあるんですよ」。

商品情報

商 品 名 蛇腹便箋レターセット
企 業 名 株式会社榛原(東京都中央区)
WEBサイト https://www.haibara.co.jp/

語り手

北村 森(キタムラ モリ)

1966年生まれ。「日経トレンディ」編集長を経て独立。
消費トレンド分析、商品テストを専門領域に活動。
サイバー大学IT総合学部教授(地域マーケティング論)。

SNS:https://www.facebook.com/mori.kitamura/

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