地域に根差し、
セントラルキッチンを活用した「食」を提供する

株式会社Tokyo Bento Labo

会社情報

株式会社Tokyo Bento Labo

”おいしいごはんの探求と地域貢献”を掲げ、地域食材を活かした弁当、惣菜、冷凍品やレトルト加工品を企画・製造・販売。
これまで多くの企業や自治体と連携し、商品企画、開発、製造、情報発信、イベント開催、PR業務に至るまで幅広くサポートし、地域社会の発展に貢献。
住所:東京都江戸川区篠崎町7-11-1
URL:https://www.tokyobentolabo.com/

代表者情報

代表取締役/関 克紀 食品メーカーから出版業界に転じ、食雑誌「dancyu」に在職中はブランドビジネス開発やECサイトを設立。2014年には日本のコメ食文化を盛り上げるため一般社団法人おにぎり協会を立ち上げ、2015年のミラノ万博に出展。2017年に独立し、日本米の消費拡大と価値向上を掲げ、コメを軸とした食のプロデュース業を開始。
2019年8月、東京江戸川区の弁当製造工場を事業承継。2020年12月に株式会社Tokyo Bento Laboへ商号変更。「コメ」と「冷凍」を中心に食領域での幅広く活動をしている。

キャッシュレス&省人化店舗に対応した
「冷凍加工品」製造販売のサービスを提供開始

当社はもともと日配弁当の配達を行っていました。「冷凍加工品」については、一昨年前に設備の導入もしていました。そして今回、「冷凍総菜の開発」、「冷凍弁当の開発」、「提供先と販路の開拓」、「冷凍自販機専門店ブランド『いっぴん食堂』の開発」を行いました。

「冷凍総菜の開発」では著名な料理人との共同開発により冷凍惣菜を、「冷凍弁当の開発」では、Red Yellow And Green 株式会社との共同開発により栄養バランス重視の冷凍弁当を完成させました。「提供先と販路の開拓」では、Red Yellow And Green 株式会社の通販サイトで菜食冷凍弁当「Grino Bento」シリーズを販売開始しました。そして「冷凍自販機専門店ブランド『いっぴん食堂』の開発」では9月末より自社工場前に設置した冷凍自動販売機を用いて、無人かつキャッシュレス対応の冷凍惣菜の販売を開始しました。

真空断熱ボックスを利用した自社冷凍物流による省エネルギー化

当初は他の物流業者さんに商品の配送をお願いしていました。

しかし、仕分け作業や保管の状態を見る事ができなかったこともあり、お客様へ提供された時の商品状態は我々が想定していたものとは異なりました。

そこで高機能の真空断熱ボックスを導入し、自社配送することにしました。一般的な冷凍の温度よりも低く保つこともでき、品質を落とすことなく省エネルギー化にも繋がりました。

自社で一括対応する「コンパクトコールドチェーン」の確立

本事業では冷凍品の製造・物流・販売までを自社で一括対応できるようになり、「コンパクトコールドチェーン」を確立できました。

全てを一括対応したことで製造・物流・販売面で大幅なコスト削減ができました。

当初物流は自社で行う予定ではありませんでしたが、自分たちで配達することでお客様の元に最短時間で届けることができました。結果的に常に低温の状態を保つことで、商品の品質を下げずに提供できるようになりました。

日配弁当から冷凍品製造にシフトすることによる生産性の向上

もともとは日配弁当をやっていて、当日の朝にならないと注文数が確定しない日が多くありました。

なので、スタッフの勤務時間を事前にはっきりと決められませんでした。その日に作るお弁当の量も当日にならないと決められず、正直あまり良い労働環境ではありませんでした。

今回、冷凍加工品の製造にシフトすることで計画生産が可能となり、生産性の向上に加えて、スタッフのスケジュールも容易になり、働きやすい環境改善も実現できました。

サービス開発のきっかけ

元々、当社は食品加工品の企画・研究・開発事業を構築している中で、3年前に既存の弁当工場を事業承継しました。既存事業を軌道に乗せながら新規の投資を行う予定でしたが、コロナ禍により売り上げは大幅に減少してしまいました。

ですが、融資や補助金を受けることができ、設備投資のスピードを早めて、2021年の9月に冷凍品製造に必要な最低限の設備一式を導入する事ができました。厳しい状況でしたが、千載一遇のチャンスだと前向きに捉え、販路開拓、設備稼働率向上、生産性の向上を目的としてサービス開発に取り組みました。

伴走型支援により「目的」を変えず「手段」を変えることができた

元々、「やりたいこと」が数多くありました。時間の必要なものもあれば、短期間でできることもあり様々でした。まず、この「やりたいこと」を考えた時に、既存の設備を活かしつつ支援期間内にやれることを棚卸しして、「冷凍」に着目しました。コーディネーターの方とは月に1度、直接話す機会がありました。

話すことで自分の考えていることをしっかり整理できました。その結果、「目的」を変えず、確度の高い「手段」を1つ1つこなしていくことができました。

ターゲットの変更の決断からリピーターの獲得に成功

本事業では、とある大学野球部の寮と話を進める予定でした。しかし、長引くコロナ禍によって大学側から休寮する旨の連絡があり、話を進めることができなくなりました。

最初は寮が再開するのを待っていましたが、なかなか再開が決まらず、テストマーケティングをするターゲットの変更が必要でした。そこで着目したのがプロスポーツの分野でした。大学の野球部ではなく、プロスポーツにすることで、商品の良さや栄養面をアスリートから発信してもらえるので、より箔が付くと考えたからです。

寮の再開の話は出てきませんでしたが、この様にテストマーケティングのターゲット選定をし直す決断ができ、「冷凍菜食弁当(Grino Bento)」は、累計1,000食を超えました。開発からこだわりをもって作ったことで、味や栄養面でお客様に満足していただきリピーターも多く、好評を得ることができました。

これからのビジョン

まずはエリアをセグメントしながら「コンパクトコールドチェーン」をさらに確固たるものとして構築していきたいと思います。また、都会でも買い物難民が発生しているようなエリアに横展開していきたいと考えています。

課題もまだまだあります。自動販売機での販売なので、お客様の顔が見えず、どんな方が購入しているかが分かっていません。今後はAIカメラを設置するなど、マーケティング活動の充実も図りたいと思います。

会社として、「1食1食、意味のある食を提供する」というビジョンを掲げており、今後はより「地域」を意識しながら地域に根ざした事業展開を行なっていきます。

ご支援させていただいたコーディネータより

初回のハンズオン支援の際に新しいサービスの事業内容をお聞きするも、様々な要素が組み合わさりゴールがどこなのか、方向性を整理することが必要だと感じました。しかし、事業者様のこれまでの実績や人脈、そして将来のビジョンは素晴らしく、事業の核となる部分を整理することで、発展性があり新たな市場への展開も可能であると思いました。

ミーティングの際には本助成事業の進捗だけではなく、事業者様が取り組まれている自治体や大手企業との新規プロジェクトなど、全ての進行事案についてのヒアリングをさせていただきました。

コーディネーターとしてできることは、事業主様が判断を固めるための壁打ち相手になり、一緒に考え並走することだと考えています。課題整理と進捗管理及びにネクストステップを明確にすることを心がけ、取り組まれている内容を俯瞰でみながら、個々の課題をクリアにし共にゴールを目指すことができたと思います。