アナログからデジタルへ!企業のBCPをまるっと
デジタル化「BCP-PREP(ビーシーピープレップ)」 アールシーソリューション株式会社

アナログからデジタルへ!企業のBCPをまるっとデジタル化「BCP-PREP(ビーシーピープレップ)」

今回開発したサービス

事業継続マネジメント支援アプリケーション「BCP-PREP」

事業継続計画(BCP)とは、大規模災害やパンデミックなどの緊急事態発生時、企業の損害を最小限に留めるための計画です。
企業にとっての重要事業を把握し、緊急時もその事業を継続(あるいは早期復旧)させるために、策定に取り組む必要があります。また、一度策定が済めば終わりではなく、見直していくことが重要です。

ところが、せっかくBCPを策定しても緊急時に使えない……。多くの企業が同じ課題に悩んでいます。そこで、企業のBCPをまるごとデジタル化したサービスがBCP-PREPです。

BCP-PREPを導入すると、BCP管理者に大きな負担をかけることなくBCPの見直しができます。さらに、スマートフォンアプリを使って従業員へ簡単に周知が可能です。緊急時には事業継続の状況を関係者と共有できます。BCP-PREPはいざという時のため、少しずつPREP(準備)するための事業継続マネジメント支援アプリケーションです。

事業継続マネジメント支援アプリケーション「BCP-PREP」

サービスのポイント

緊急時の使い方 重要事業の状況等を素早く把握

緊急時には、従業員は手許のスマートフォンにダウンロードした防災アプリ「PREP」から状況を報告します。管理者はPCから「BCP-PREP」にアクセスすることにより、重要事業の状況を素早く把握できます。

【安否確認】
地震発生等により事業が中断した緊急時には、自動的に従業員のスマートフォンに安否確認のお知らせをプッシュ通知で伝えます。従業員が安否を報告すると管理者は集計結果をダッシュボードで確認できます。

【タスク状況の確認】
メッセージを使ってタスク状況の報告を指示すると、集計結果や影響を受ける重要事業の状況をダッシュボードで確認できます。

緊急時の使い方 重要事業の状況等を素早く把握

導入時の登録、BCP見直しの際の変更が容易に

BCP-PREP導入時には、会社は策定したBCPに基づき重要事業や会社の拠点・部署、従業員等を割り当てる必要があります。また、従業員もアプリケーションのダウンロード・登録が必要です。この時の割当や登録、さらにBCP見直しの際の変更も、 BCP-PREPは容易に行うことができます。

■BCP-PREP導入時の一連の流れ
【会社側 導入時の登録・割当】
災害の発生を監視するため、本社、事業所等の拠点を登録します。重要事業の状況を管理するため、あらかじめ、BCP策定により抽出した重要事業や会社の部署・従業員を登録します。重要事業には必要なリソースを割り当てます。

【従業員 アプリのダウンロードと設定】
従業員の手許のスマートフォンには総合防災アプリ「PREP」をダウンロードします。ご契約いただいたお客様には企業IDをお知らせします。アプリから登録すると「BCP-PREP」につながります。

BCP見直しの際の変更が容易に

緊急時には必要な機能をひとまとめにして提供

BCPの実行に用いるサービスは、ひとつの機能に限られているものもありますが、BCP-PREPは緊急時に必要な機能をワンストップで提供できます。
さらに、過去の記録を振り返りながらBCPの見直しを図ることができます。

■BCPの実行・見直しの一連の流れ
【BCP実行時の使い方(大規模地震発生時の例)】
大規模地震発生後、従業員の安全確保と安否確認を行い、重要事業の状況を把握することができます。BCPの実行を周知して重要事業再開の状況を管理できます。

企業の対応
①地震の状況を確認→②従業員に安全確保を指示→③従業員の安否を確認→④従業員にタスク状況の報告を指示→⑤BCPの実行を判断して従業員へ周知→⑥重要事業の再開を確認

【BCPを見直すときの使い方(台風接近時の例)】
その時の記録を振り返ることでBCPの見直しを図ることができます。

企業の対応
①災害情報の確認→②警戒地域の従業員へ自宅待機を指示→③従業員にタスク状況の報告を指示→④出社可否の確認→⑤安全を優先しながら現場の状況を確認→⑥BCPの実行を判断して従業員へ周知→⑦台風一過での現場の状況を確認

緊急時には必要な機能をひとまとめにして提供

サービス開発のきっかけ

東日本大震災を経て当社のアプリが多くの利用者を得ることとなり、災害発生時に情報をいち早く伝えることが評価もされて、よりよいサービスを提供できるようにと、システムのブラッシュアップに取り組んできました。

毎年のように災害が発生する中、情報を伝えるだけでは必ずしも被害の軽減にはつながらず、普段から備えておくことの方が大切ではないかと考えるようになり、「情報を伝えるメディアから行動を促すサービスへ」と、利用者の事前防災につながる仕組みを提供することを決断しました。

企業であれば、事業継続計画を策定し、見直しながら運用し続けることが被害軽減につながるため、その取組に利用するサービスとして「BCP-PREP」の開発を計画しました。
開発途中、コロナ禍で急速にテレワークが進み、新しい働き方をサービスの中に取り入れる必要が生じました。オフィス通勤・テレワークが混在する中でも、緊急時のBCPの実行に利用できるよう、改良を決めました。

開発期間中の振り返り

既存事業の見直しからコンセプト決定まで

既存事業の見直しからコンセプト決定まで

当社の主力サービスとなっていた緊急地震速報アプリ「ゆれくるコール」は、ダウンロード数は多いものの、地震発生の時に使われるアプリとなり、収益の改善が必要でした。
検討を重ね、「総合防災アプリ」開発を行うことを決め、全社員を巻き込んでのワークショップを開催する等して、「情報を伝えるメディアから行動を促すサービスへ」とのコンセプトや事業の進む方向を決定、中期事業計画も策定しました。

総合防災アプリ開発の進捗遅れとリリースまで

総合防災アプリ開発の進捗遅れとリリースまで

会社としては初めて、ディレクション、開発、デザインの各チームによる分業体制とし、リーンスタートアップの開発手法を取り入れましたが、思うように進まず、何度もリリースを延期することとなりました。
その結果、開発チームの稼働が大きくなり、一部機能を外注せざるを得ないほど、大変な苦労が続く中、2020年夏、iOS版を先行リリースしました。

コロナ禍による新しい働き方を取り入れた改良

コロナ禍による新しい働き方を取り入れた改良

開発を継続している途中、コロナ禍で急速にテレワークが進み、新しい働き方をサービスの中に取り入れる必要が生じました。
2022年、本事業に採択され、オフィス通勤の社員、テレワーク中の社員が混在する日常においても、社員の安否状況、被災状況を瞬時に把握、共有し、企業の事業継続、復旧に利用できるよう、「BCP-PREP」の改良に着手し、2023年10月、リリースを迎えることができました。

これからのビジョン

「未来の防災を創造しよう」
インターンシップ等でお会いする若い人たちには「新たな技術により災害が起きても人が死なない社会」を実現したいと伝えています。
子どもの頃、マンガやテレビ番組で見た未来の技術がいくつも実現しています。「地震の揺れが来る前に家が空を飛ぶ」という夢のような話を今、しておくことで、次世代の人たちがかなえてくれることを期待しています。

直近では、本事業によりリリースした新サービス「BCP-PREP」に関して、予想より多くの企業から問い合わせをいただいている状況です。導入企業を増やして売上を拡大させるとともに、私たちにはない別の何かを持っている企業と提携して付加価値を高めたサービスを社会に提供したいと考えています。

会社情報

社名 アールシーソリューション株式会社
所在地 東京都新宿区西新宿8丁目14番21号 双英ビル3階・6階
代表者 代表取締役 栗山 章
URL https://www.rcsc.co.jp/

2002年8月8日設立。2005年防災・減災ソリューション事業に関わるシステム開発に着手し、2007年緊急地震速報配信サービスを開始。2010年緊急地震速報アプリ「ゆれくるコール」をリリース、これまでのダウンロード数は700万件を超える。2014年訪日外国人向け災害情報通知アプリ「Safety tips」リリース、現在14ヶ国語に対応。2023年事業継続マネジメント支援アプリケーション「BCP-PREP」リリースした。

代表者情報

栗山 章

栗山 章
1963年(昭和38年)生まれ、新潟出身。
1987年からシステムエンジニアとして、通信事業者向け多重化伝送システム、電報システム等の通信システムや、都市銀行向け勘定システム、為替取引システム等の金融システムの開発に従事。2002年アールシーソリューション株式会社を設立、代表取締役に就任。趣味はお酒を飲みながら読書すること。