海外に渡航することなく、日本から海外販促ができる
オンラインサービスの開発 株式会社モデルケース

海外に渡航することなく、日本から海外販促ができるオンラインサービスの開発

今回開発したサービス

外国人モニターを活用したマーケットインな輸出戦略をサポートするサービスを提供

株式会社モデルケースは、食品メーカーが接点を作りにくい外国人消費者へのアプローチをオンラインで手軽にでき、マーケットインを織り込んだ輸出戦略をサポートするサービス「Japan Spark(ジャパンスパーク)」を開発しました。

Japan Sparkには、国内外の外国人モニターが登録されています。外国人モニターには、会員登録時に「料理頻度と内容」「食品購入先の店舗や利用しているECサイト」「訪日歴」といった情報の登録をいただいています。

食品メーカーは、この会員情報を閲覧し、モニターを精査し、調査や情報発信の依頼をすることが可能です。また、モニターアンケートの回答状況は専用画面で確認することができます。
これにより、日本にいながら海外消費者のニーズや自社商品の可能性、改善箇所を理解することができ、輸出展開において最適な戦略の立案につながります。

外国人モニターを活用したマーケットインな輸出戦略をサポートするサービスを提供

サービスのポイント

香港・米国向け商品評価調査サービス

Japan Sparkに登録されている外国人モニターの中には、香港・米国出身の方がいます。

香港のモニター会員は会員登録時に、日常的に料理をする頻度が高く、訪日経験も多いと回答されています。また、米国のモニター会員の中で毎日料理をすると回答された方は約6割と、アクティブな料理好きの方の登録が多くなっています。

食品メーカーは、このようなモニター会員の会員情報を精査して、食品のパッケージデザインや味覚、ボリュームなど、様々な意見やアイディアの収集を行うことで、対象市場の販売商品選定、商品の開発や改良、販促手法改善に活かすことができます。

具体的な調査項目と調査実施までのフロー

具体的な調査項目としては、「パッケージデザイン、味覚、ボリューム、包装タイプ、競合商品、適正価格、有効的な販促手法、購入ノベルティ、ニーズ、利用用途(調理方法・食べ方など)開発商品ABテスト、海外での食品購入する小売店・EC利用状況」などがあげられます。

また実施までのフローは、下記のとおりです。
➀モニター募集
メーカーから頂いた情報を元に当社にて、商品説明・アンケート内容を説明する募集ページを作成します。
募集ページが公開されましたら、モニター会員へメール配信やSNSでの告知を行い、モニター募集を行います。

②アンケートフォームの作成
ヒアリングを元に設問作成・翻訳とアンケートフォーム作成を行います。

③応募モニター一覧画面でモニター選定
応募モニターでは、会員属性・SNS・応募時設問回答、料理頻度と内容・食品購買店舗やECショップの利用状況も表示されます。

モニター調査後、活用することで得られるメリット

食品メーカーは、専用のページからモニター会員の選定、調査したい内容などを自由に選択ができます。また、モニター調査終了後、アンケート回答の内容の確認やダウンロードも可能です。

Japan Sparkを活用することで、パッケージ・容量・味の意見を商品改良・開発に生かしたり、モニターの声やニーズを営業資料に反映したりすることができます。また、ECサイトなどに口コミとしてレビュー掲載することで、購入率の向上が図れます。

サービス開発のきっかけ

コロナ禍の影響でインバウンド案件がストップしました。観光や日本食についての嗜好が外国人と日本人では異なることから、外国人消費者の意見や感想を収集することの重要性をインバウンドビジネスで知り、そのノウハウを日本食の輸出に生かす新サービスを検討しました。農林水産省の農林水産物輸出目標が設定されたこともあり、本格的に輸出支援事業を行おうと決めました。

食品メーカーだけでなく、国内商社や現地の卸売業者も消費者の嗜好の把握が難しいことが、輸出に際しての課題です。2022年7月に他機関の補助事業により、シンガポールにおいてモニターサービスを試験的に開始しました。そして今回、本事業を活用し、食品輸出先で存在感のある香港と米国においてもオンラインモニターサービスを始めました。

開発期間中の振り返り

モニター会員の獲得目標数の乖離

モニター会員獲得に係る費用には、当初想定より乖離がありました。香港は獲得コストが想定よりかかったため、予定していた獲得数の半分程度に終わりました。米国は逆に人口が多いため、当初の半分以下の獲得コストでモニター会員の獲得が効率よくできました。

課題は米国のモニター回答率の低さ

米国のモニター会員には、商品を受け取っても、催促をしても、アンケートを期限内に回答しない方、最終的に回答しない方が多くいました。そのため、モニター会員の精査を行うための基準設定と、過去の回答実績を評価する必要性を感じました。
また、未回答者へのリマインドメールを行う人的作業の工数もかかり、自動メール配信を行うシステム化対策を実施しました。
セールス的にも未回答者が発生する点を考慮した商品価格設定が課題と考えています。

大手食品メーカーとの契約が決まりました

食品メーカーの中でも、中小零細企業はマーケティング予算が少ないため、比較的マーケティングの必要性に理解があり、予算を投入できる中堅~大手の食品メーカーに対して提案を行いました。大手の食品メーカーが市場投入を検討している商品の評価調査案件の受注が決まり、早期にビジネスにつながりました。

これからのビジョン

2023年7月、シンガポールのモニターサイトを開設、その後、香港・米国版を開設したことで3か国対応となり、マーケティング提案の幅が広がりました。

Japan Sparkでは、商品評価、情報発信についてを主に食品メーカーに提案しております。
商談会・展示会・渡航などの営業に係る予算より、マーケティング領域に関しての予算が各メーカーとも少ないのが現状です。その理由は、販売に直結しないからというものです。

ただ、他機関のセミナーでは、マーケットインな戦略での話題が数多くあります。
モニターサービスの必要性を理解いただくことで、現地に適したパッケージ・容量・味覚などの改良を行うきっかけになるよう、情報提供を行っていきたいと思っています。

シンガポール版では、商品評価でのモニターレビューを商談会・現地店舗販売に生かすようなパッケージを外部パートナーと連携し、案件を受託しています。今回の香港・米国版でも同様に販路開拓も含めた提案ができるように、さらにパートナー開拓を行っていく予定です。

会社情報

社名 株式会社モデルケース
所在地 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-4-9 第20スカイビル 201
代表者 代表取締役 河村 正基
URL https://modelcase.co.jp/

主な業務内容
国内外の外国人モニターを活用した、インバウンドコンテンツ制作ならびに調査、輸出商材の商品評価調査・SNSへの情報発信サービスをご提供させて頂いております。

代表者情報

河村 正基

河村 正基
1999年 明治大学商学部卒業。
テレビ局の子会社にて衛星経由の番組送信オペレーターとして業務契約。
その後、映像配信サーバ会社、WEB広告会社に入社。
2010年 Facebook・TwitterのAPIを活用したサービスの事業の可能性を感じ、退社。
2011年 株式会社モデルケースを創業。 Facebook・Twitter API連携アプリ開発受託事業を開始。インバウンド(訪日外国人)・輸出支援事業を展開。