HACCP+対面接客を低減する美食の安全・安心の
居酒屋サービスの創出 株式会社MUZEN

HACCP+対面接客を低減する美食の安全・安心の居酒屋サービスの創出

今回開発したサービス

お客様に自信をもって美食の安全・安心を保証できる居酒屋サービスの開発

お客様に自信をもって美食の安全・安心を保証できる居酒屋サービスの開発

コロナ禍をきっかけとして、感染症に強いお店に生まれ変わるべく、食品衛生法で義務付けられているHACCPの考え方を取り入れた食品衛生管理をスタッフと共有し、確実に実施できるように実践トレーニングを重ねました。

居酒屋店舗ではあまり見られない全熱交換型換気空調設備に加え、セルフオーダー精算システム、配膳ロボットを導入し、店内環境と感染症リスクを低減する改善をおこないました。

飲食業界では、食品衛生法や建築基準法・建築物における衛生的環境の確保に関する法律などの衛生法規を理解し、順守しなければなりません。しかし、実際には大手チェーン店でも取組は十分とはいえず、食中毒等が発生した場合、長期間の営業停止につながりかねません。
当社は、施設を定期的に自主点検し、法令の順守状況を記録し、改善策を実行することで、お客様が安心して来店いただける店舗設備を整備しました。

サービスのポイント

非対面型セルフオーダー精算システムを導入

非対面型セルフオーダー精算システムを導入
非対面型セルフオーダー精算システムを導入

対面接客を低減するため専用端末やスマートフォンで注文できるセルフオーダーシステムを導入しました。お客様は従業員と直接対話せず注文することができるため、感染症の不安や衛生面での安心感にも繋がっています。

セルフオーダーシステムには、食の安全安心だけでなく、思いがけない効果もありました。
今までは、注文の際に呼ばれた店員が気づかない、来るのが遅いなど、お客様をイライラさせてしまうことがありました。しかし、セルフオーダーシステムであれば、お客様の好きなタイミングで、店員を待つ必要なくスムーズに注文することができます。当店にとっても経営の効率化に役立ちました。

端末画面は扱いやすく、お客様が注文したくなるような工夫を施しました。また、注文が入るとすぐ厨房にデータが届くため、タイムラグや注文ミスもなくなり、今までより素早くお酒やおつまみを届けることが可能になりました。

配膳ロボットの導入により効率化も進んだ

配膳ロボットの導入により効率化も進んだ

料理や飲み物をお客様のテーブルに運ぶ配膳ロボットを導入しました。ロボットの導入により、対面による感染症リスクを低減するだけでなく、配膳ミスがなくなり、従業員が無理をして多くの飲み物や料理を運ぼうとして怪我をしたり、食器を壊したりする危険も少なくなりました。

さらに「大人数の飲み会でもロボットが全員分の飲み物を同時に運んでくれるため、すぐに乾杯やおかわりができた」など、お客様から喜びの声もいただいています。

従業員のHACCP食品管理意識の改善

セルフオーダー精算システム、配膳ロボットといったハード面の導入に加えて、安全・安心の居酒屋経営を持続するには、従業員全員の食品衛生の知識と管理方法の改善が重要と考えました。
これまでにも公的機関や専門コンサルタントから一般食品衛生の講習を受けましたが、セミナー型の一般的総論やルール解説の内容で、実際のお店のメニューや仕事に結びつけて考えることが困難でした。そのため、従業員全員の改善行動にはつながらない問題がありました。
自分たちの店に沿ったかたちで実践トレーニングを行うことにより、従業員にHACCPに基づく食品管理意識を浸透させることができました。

サービス開発のきっかけ

コロナ禍による経営ダメージを経験して、お客様にとって安全・安心な飲食店である必要性を痛感したことが開発のきっかけです。
売り上げは2020年の一時期においては前年の半分まで減り、倒産するのではという事態まで追い込まれました。

保健所当局から「飲食店はHACCP導入や換気の確保に対する対策が不十分であり、クラスターになる不安がある」との指摘があり、当社としては、安全・安心な飲食店を実現するために、法令順守を進めようと決意しました。

開発期間中の振り返り

HACCPの考え方を取り入れた食品衛生管理を最需要事項とした

HACCPの考え方を取り入れた食品衛生管理を最需要事項とした
HACCPの考え方を取り入れた食品衛生管理を最需要事項とした

本事業のハンズオン支援を利用して、感染症リスクを低減しHACCPの考え方を取り入れた食品衛生管理を徹底して、飲食事業基盤を強化することを目標としました。
大手チェーン店と同様の換気設備と非接触型の運営機器を導入し、大手チェーン店も完全でないHACCPの知識技術を取り入れて、美味しい食の安全安心を約束する居酒屋をお客様に提供することを目指しました。

これまでもHACCPについて勉強し、清掃の強化や記録等は行っていました。公社のコーディネーターや専門家は、これまでのような講習による支援ではなく、従業員と一緒に厨房や客席、食材倉庫、トイレ等をチェックして評価や助言をしてくれました。

特に専門家は、包丁等の調理器具や冷蔵庫の中まで見てくれました。そして、換気設備や状況、清掃について良い評価をしていただきました。従業員全員がHACCPを理解し実行できるように教育していくことは簡単ではありませんが、今後の手応えを感じることができました。

最初のステップで、感染症リスク対策とHACCP食品衛生管理を、食材やメニューに加えて競争力の要素にして、団体客やリピーター客の集客につなぐこと、食品衛生は、従業員の共通意識改善と行動が重要なこと、居酒屋の美食の安全・安心は、お客様のモラル行動にも要因があること等、さまざまな気づきがありました。
まだ完全ではありませんが、今では従業員全員が担当職務の隔てなく、お客様と自分たちを守るために感染症対策や食品衛生管理について「気付いた人が当たり前のことを当たり前にやる」ことを理解し、実行してくれています。

改善成果をマーケティングに活用する

ハンズオン支援で広告媒体やマーケティング分析と実行戦略の助言を受けながら、助成金を活用して今回の改善成果を自社ホームページのリニューアルやWEB広告に訴求しました。

お客様には、お店によって違いがわかりにくい換気設備や感染症対策、HACCP食品管理の取組みをアピールして、お店に安心感を持っていただけるようになったと思います。また、従業員の採用面でも効果を感じています。

これからのビジョン

飲食業では、規模や業態にかかわらずHACCPの導入が立ち遅れていると感じます。
この状態では、飲食業全体が感染症に弱いという世間の評価を払しょくすることはできず、インバウンド需要にも影響し、コロナ禍と同様の問題が起こる可能性があると思います。

また、道半ばですが、同時並行して業務効率化や省エネ、自動化等も強化することができました。
今後は自社が見本となり、HACCP+換気+非対面化の取り組みを喧伝することで、業界全体の感染症対策や法令順守が進み、新たな感染症が発生した場合においても多大な影響が発生しないように、この取り組みを発信し続け、普及していきたいと考えています。

会社情報

社名 株式会社MUZEN
所在地 東京都新宿区西新宿7丁目18−7
代表者 代表取締役社長 黄 建雄
取締役会長 水野 哲也
URL https://muzen.deci.jp/

【飲食事業】
・食を通し未来を創り 「楽しい食」を目指す。
【不動産事業】
・住まいを通した先にある、より良い未来へ。
【貿易事業】
・日用雑貨、インテリア用品、酒類など、さらに海外マーケットの開拓を強化。
 お客さまにより喜ばれるサービスを目指す。

代表者情報

黄 建雄

黄 建雄
代表取締役社長である黄建雄は、中国福建省の出身であり大学在学中から飲食店でアルバイトを経験する等、飲食業界での経験が6年ほどある。大学卒業後は、10店舗を経営する居酒屋チェーンに就職して店長を経験した。平成27年に独立し法人を設立。座楽渋谷店、栞水道橋・神保町・上野と店舗拡大中。