すれ違いデータを記録、濃厚接触者が特定できる、
ソーシャルディスタンスバンドを開発 MAMORIO株式会社

すれ違いデータを記録、濃厚接触者が特定できる、ソーシャルディスタンスバンドを開発

今回開発したサービス

近接検知技術を活用したソーシャルディスタンスバンドサービスの開発

MAMORIO株式会社では、「近接したすれ違いをデータで記録し、濃厚接触者を特定」する、ソーシャルディスタンスバンドを開発しました。落し物防止タグMAMORIOで培ったBluetoothの近接検知技術を活用した、ソーシャルディスタンス対策を効果的に実施できる新機能です。

タグやバンド同士が一定の距離まで近づいたことを検知、近接履歴を記録し、感染発生時にはいちはやく濃厚接触者を割り出すことが可能となります。
コロナ禍による移動制限が終わり、日常が戻る中で会社や工場、学校などでの感染の予防と発生時の初動対応を迅速化するサービスを実現します。

近接検知技術を活用したソーシャルディスタンスバンドサービスの開発

サービスのポイント

落とし物防止タグで培った近接検知技術を活用したソーシャルディスタンスバンド

落とし物防止タグで培った近接検知技術を活用したソーシャルディスタンスバンド

落し物防止タグMAMORIOは、数メートルから数十メートル内でのBluetooth通信を用いて、大切な物品の置き忘れ、紛失場所をスマートフォンへお知らせするデバイスです。他ユーザーのスマートフォンとのすれ違いによる相互補助の仕組みを利用しながら、紛失物の捜索をすることが可能な「みんなでさがす」という独自機能です。

今回、開発した製品は、MAMORIOのBluetooth通信を用いたクラウドトラッキング(すれ違い追跡)の仕組みを応用したものとなります。

ソーシャルディスタンスバンドには、腕に巻くリストバンドタイプ、首にかけるネックバンドタイプの2種類があります。

顧客は、主に工場や学校、介護施設等、多くの人が集まる場をもつ法人などを想定しています。工場勤務する作業者間での近接履歴の記録や、学校や介護施設での児童や入居者同士の近接時の警告などにより、管理者の負担を軽減することができます。

近接したすれ違いのデータを記録し、濃厚接触者を特定

すれ違いのデータの記録は、自分と他の人が利用しているソーシャルディスタンスバンドのBluetooth通信により行われます。

アプリを社員の方が利用すれば、ご自身が日々オフィス内で過ごす中で、どのくらい人との距離を保てているのかが把握できるようになります。 こうしてソーシャルディスタンスを維持できるようになるため、人との距離をとって過ごせるようになり、感染拡大が防止できます。

また、すれ違いによりユーザー情報や登録した物品の情報が相手方に伝わることはないため、個人情報についても心配ありません。

近接したすれ違いのデータを記録し、濃厚接触者を特定

感染者との濃厚接触者を割り出すことができる「濃厚接触度測定レポート機能」

社内で新型コロナウイルスの感染者が出た場合、感染者との濃厚接触者を割り出すことができ、感染拡大を防止できます。

過去の検知情報から社内でのすれ違い情報を分析して、感染者と濃厚接触をした可能性が高い社員を速やかに分析することができます。

国立感染症研究所によると、新型コロナウイルスの濃厚接触者の定義は「感染者が発症する2日前から、1mくらいの距離で、マスクをせずに15分以上会話していた人」とされています。
「濃厚接触度測定レポート機能」では、上記の条件に当てはまる濃厚接触者を速やかに特定することができます。

濃厚接触者を速やかに特定して、在宅勤務させるなどの速やかな対応を行うことができるので、社内で新型コロナウイルスの感染が拡大するのを防げます。

感染者との濃厚接触者を割り出すことができる「濃厚接触度測定レポート機能」

サービス開発のきっかけ

コロナ禍の影響により、人々の外出機会が減ったことで落し物頻度が減り当社の製品のニーズが減少しました。

また、人が密集する工場や学校、介護施設等の施設で新型コロナウイルスの感染者が出た場合は、業務の停止や濃厚接触の疑いのある人の隔離など、多くの負担を余儀なくされるリスクがありました。

学校や介護施設等においては、管理者が見えないところで児童や老人が近づきすぎてしまい、ソーシャルディスタンスを保てない可能性があります。

これらの市場において、ソーシャルディスタンスの接触履歴の記録と閲覧には多くの潜在ニーズがあると考えました。

当社はBluetoothを活用した世界最小クラスの紛失防止タグを数十万個以上開発・販売した実績があり、近くのタグの有無を検知しての通知またはシステム管理する技術については多くのノウハウを持っています。これらのノウハウを活用し、ソーシャルディスタンスバンドとシステムを開発実施することを目指しました。

開発期間中の振り返り

専門家派遣、公社コーディネーターによるマーケティング支援に助けられた

支援期間中、公社の専門家派遣により、法人向けの営業、マーケティング、PR手法についてなど様々な業界の専門家から個別にアドバイスをいただけたことで、製品展開についての指針を作ることができました。

製品開発と平行して公社コーディネーターによるハンズオン支援が受けられたことで、製品やマーケティングへのタイムリーな反映も実現できました。今後は、得られた知見を活用しさらなる拡大を行っていく予定です。

資金支援を受けたことで思い切ったチャレンジができた

新しくハード部分を作り上げていくには初期投資がかかります。本事業の資金支援があることによって、ハードウェアの開発に対して、思い切ったチャレンジをすることができました。

ソフト開発においても、既存のシステムと連携するために新しくシステム開発をする必要があったので、資金支援を受けられたことは大変助かりました。

新型コロナウィルスの拡大や縮小の状況が見えない中でも、こういった資金支援があることでスケジュールに余裕をもって対応ができ、顧客からの要望にも応えやすく、その内容を踏まえて製品開発を実施することができました。

これからのビジョン

新型コロナウィルスの5類感染症移行後も、「人と人との距離の確保」は感染防止対策として引き続き有効とされています。
今後も製品の引き合いは増えていくと予想される中、ソーシャルディスタンスバンドデバイスとシステムを通じて人との近接の測定ができることになったことで、これらのデータを用いて、人の接近や密集を知らせる機能や、空間内の人数を数える機能といった新機能の開発や、その他のシステムとの連携など活用できる開発を継続していく予定です。

会社情報

社名 MAMORIO株式会社
所在地 東京都千代田区外神田3-3-5 ヨシヰビル 5F
代表者 代表取締役 増木 大己
URL https://mamorio.jp/

私たちは「なくすを、なくす」をミッションに、紛失防止デバイス「MAMORIO」を始めとした様々な製品・サービスを提供するIoTカンパニーです。
あなたの大切なものを守る世界最小クラスの紛失防止デバイス「MAMORIO」の提供。
「誰が持っていて、どこにある?」を遠隔から把握できる、法人向け所在管理ソリューション「MAMORIO Biz」を展開しています。

代表者情報

増木 大己

増木 大己
1987年生まれ 慶應義塾大学商学部卒。SBI証券にてIPO関連業務に携わった後、2012年「あたりまえに、気づかせる。」をミッションにしたMAMORIO株式会社を創業。
IoT技術を使って大切な物の所在をあたりまえに、気づかせることのできる社会を目指す。