人材育成計画作成支援事業 支援事例(1)〜有限会社丸幸水産〜
事業拡大に向け組織体制を整備、学校給食と食育を支える
有限会社丸幸水産は、新鮮な魚介類を提供する“魚のプロ”として、都内小中学校の給食を陰で支えています。
同社は小規模な会社ながら、事業拡大を見越して組織体制の整備に踏み出しました。そこで利用したのが、公社の「人材育成計画作成支援事業」。現在専門家とともに自社を分析し、先を見た計画作りが進んでいます。

人材戦略を公社とともに立案
同社は、企業・事業所の給食向けに、主に水産品を提供する事業を続けてきた。現在は主に、都内国公立の小中学校向けに、給食用食材を提供している。
不況にも関わらず業績は堅調だ。
好調さを今後につなげたい同社だが、組織は小さく、経営体制は整備している途上である。これから顧客数増を見込むとすると、新たに人も採用し、社内の体制をもっと確実なものにしていかなければならない。
そんな折、公社の「人材育成計画作成支援事業」を知り、このサービスを利用して、組織体制を整備することにした。このサービスは、人材関連の専門コンサルタントである「人材ナビゲータ」が、企業の経営者・従業員のヒアリングや現場視察を通じて、ヒトに関わる問題解決をお手伝いする(人材教育、人事政策、研修などのプランニング)ことが主たる内容だ。
同社は平成21年の春に申し込み、夏にかけて人材ナビゲータとともに分析を進めた。それを元に8月、人材ナビゲータが報告書「人材育成に関するご提案」をまとめた。この報告書では第三者の目から見た同社の強みや課題、業務別に必要な人材能力、各人が能力を上げていくための育成方向、新たに人を採用するための人材要件、育成カリキュラムの例などが整理されている。今後同社はこれを元に人材育成の計画作りを進めていく予定である。
「人材育成計画作成支援事業」を通じて作られた、同社の育成計画の枠組みはこちらをご覧ください。
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学校給食にプロの立場から提案
“魚離れ”が叫ばれて久しいが、本当に美味しい新鮮な魚を食べやすい形で提供すると、子どもたちも喜ぶ。各学校の栄養士、栄養教諭の方々は、食材コスト面で制限があるなかで献立を考えなければならない。
そこで同社は、単に食品の加工流通という立場にとどまるのではなく、学校現場で本当に役立つ食材提供サービスに踏み込んだ。季節ごとに新鮮で安く提供できる食材を提案したり、産地・市場の情報を提供したりして、各学校の課題に応えてきた。「美味しい魚を献立に出せるようになって、子どもの残菜率が減ったと言われるのが嬉しい。これが口コミとなって、ほかの学校からも話がくるようになった」と、“お魚マイスター”である営業の小堺洋市氏は手応えを感じている様子だ。
こうした食材提供サービスを更に発展させるためにも、公社の協力を得て作成している計画を基に研修や人事制度の整備を進める。組織や従業員一人ひとりの強さを高めることができれば、経営システムとしてもう一段階レベルの高い体制が作れるはずである。ひいては、子どもの食育を支える企業になるであろう。

連絡先
有限会社丸幸水産
代表者:小堺 潔氏
所在地:江東区塩浜2-11-28
TEL:03-5857-5655 / FAX:03-5857-5658
資本金:1,000万円 従業員数:12名

□ 問い合わせ先 □
企業人材支援課
TEL:03-3832-3675 / FAX:03-3832-3679