成功のヒントは現場にあり!東京都内中小企業のSDGs取組事例
チームワークづくりの中にSDGsの取り組みが

株式会社タック印刷(墨田区)
代表取締役
高田 朋幸 氏
社内コミュニケーションを円滑に
タック印刷はラベル印刷の老舗会社。家電製品に貼る製品番号や型番などのラベル印刷が多く占めていましたが、現在は精密機器や産業用ロボットなどに貼るラベルが中心です。
「ラベルそのものが部品の一つと捉えられていて、サイズが0.1㎜単位違っただけでも許されない厳しい品質管理が求められる仕事です。そうは言っても人間のやることです。ミスがあるかもしれません。ではどうしたらミスを避けることができるか。それが課題でした」
そう語るのは高田朋幸社長。課題をどうクリアするか…たどり着いたのは、「円滑な社内コミュニケーション」と「チームワーク」だと言います。
-
ラベル印刷で半世紀以上の実績。
-
最新の設備導入も積極的。
一人ひとりが発信できる職場環境
高田社長が取り組んだのが働きやすい環境づくり。社員の思っていること、困っていることに耳を傾けたり、アンケートをとったり、自由に一人ひとりが発信できる職場環境を目指したと言います。
「仕事は厳しいけれど、職場環境は誰もがいろいろなことが言えてかなり緩いかもしれません(笑)。でも、コミュニケーションが取れているからこそ、みんなで協力し、解決していこうという意識が高いです」
高田社長は働きやすい環境づくりのほか、働き方改革にも前向きで、記念日休暇や水曜日のノー残業デー、さらに有休取得率を高めるための業務の効率化にも取り組んでいます。
-
本社工場・向島工場でも女性社員が活躍。
“見える化”推進で業務がスムーズに
社内コミュニケーションの円滑化のために、さらに一歩進んで高田社長が取り組んだのが業務の“見える化”です。現在どういう仕事を受注しているか、納期はいつか、誰が今、何の業務に取り組んでいるかなど、リアルタイムの情報がタブレットや大型モニターで誰でも確認できるようにIT化しました。
「“見える化”したことで社員同士の意思疎通が取りやすくなりましたね。仕事の流れがスムーズになりました。また、レスポンスが良くなったとお客様から言われるようになりました」
お客様に対して営業スタッフがクイックレスポンスの取れる体制になっていることも、大きな強みになっています。
日々の業務ですでに実践
高田社長は、SDGsを宣言するための取り組みではなく、これまで日々の業務で手掛けてきたことがSDGsの目標に合致していたと振り返ります。
「わくわくドキドキするような時間を社員のみんなで共有したいですし、そういう環境やコミュニケーションを中心に据えた日々の延長線上にSDGsはあると思います」
女性社員の採用も拡大。レーザー照射でラベル加工できるレーザーマーカーなどの新規設備の導入も積極的。製造工程で発生する粘着フィルムなどの廃棄物の固形燃料化にも取り組んでいます。社員を思い、働きやすい職場環境を目指せば、その積み重ねの中にSDGsへの取り組みが見出せると高田社長は語ってくれました。
-
大型モニターとタブレットを活用して
仕事の流れの見える化を実現。
株式会社タック印刷
所在地(本社工場):東京都墨田区業平1-9-7
設立:昭和40年3月1日
事業内容:シール・ラベル・銘板 製造
代表取締役社長:高田朋幸
従業員数:21名
