ひろがる!SDGs経営に取り組む中小企業東京都内中小企業のSDGs推進事例

【公社支援活用事例】2023/12保険業・サービス業

自社の強みを再認識するきっかけに
社員のモチベーションも向上

株式会社ビジコンネクスト(品川区)

株式会社ビジコンネクストは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。
株式会社ビジコンネクスト 専務取締役 経営企画本部長 営業本部長 菅原俊江さん。笑顔で明快にインタビューに答えていただいた。
菅原俊江さんは「SDGs経営に取り組む中、若手社員が『働き方』などの提案を積極的に行うようになりました。
このことは大きな成果だと思います」と話す。
プロジェクトメンバーの清野泰子さん。主に福利厚生や新卒採用などを担当する。「当社は創業時から、妊娠・出産を理由にしたキャリアの差別は行わないなどの考え方をベースに、性別・経歴・環境に関わらず活躍ができる場と福利厚生制度の整備に注力しています」。
従業員の執務室にはスタンディングデスクやファミレス席の愛称で親しまれているボックスシート、さらに品川駅周辺が一望できるカウンター席が設置されている。
多数の専門書が並ぶスタディルーム
セミナーなどを行うカンファレンスルーム
丸の部屋と呼ばれる会議スペース。役職や経験年数を問わず活発に意見交換ができるように、上座下座のない円卓を採用している。
Q 主な事業内容を教えてください。
A 企業コンサルティングサービス、ファイナンシャルプランニングサービス、住宅ローン事業の3つが主力事業です。企業様には「100年先までの持続的な企業の成長に貢献する」ことを目標に掲げ、個人のお客様には「120歳まで寄り添い続ける」ことを目指し、お客様のお子様、さらにお孫様といった次世代のご家族も豊かになる提案を行っております。
Q SDGs経営に取り組んだきっかけを教えてください。
A 当社はかねてから、目先の利益に捉われない持続的な環境・社会・ガバナンス(ESG)を考慮した投資や経営支援に取り組んできました。これに加えてSDGsにも注力したいと考えたのは、新型コロナウイルスの感染拡大、戦争、そして円安といった国内だけではなく、世界的な出来事が、企業や個人の経済活動に強く影響を及ぼすことへの危機感からでもあります。BCP(事業継続計画)戦略も含めて、企業の永続、個人のお客様の豊かさをどのようにつくっていくのか。その対外的発信を強化する上でも、SDGs経営に取り組むことは有効であると考えました。
また、特に海外と取引をされている企業様のSDGsへの関心の高まりというのも、きっかけのひとつです。私たちは、当社が実際に利用しているサービスを、経験を踏まえて提案しています。SDGs経営が求められる昨今、親身になってお客様に寄り添い、かつ企業様から共感を得るためにも、SDGs経営を実践する必要があると思いました。
Q 公社のアドバイザーはどのような助言をしてくれましたか。
A 当初、すでに取り組んでいることをSDGsの経営プランに落とし込もうとしていました。ところがアドバイザーから「より俯瞰的な視点で自社の強みと弱みを洗い出すことが重要です。まずはバリューチェーンを明確にしてください」とのアドバイスをいただきました。
SDGsの17項目は国連が決めた目標であって、当社が設定する目標と達成するまでのプロセスは独自のものでなければならないのです。まずは17の項目を指針として、自社の現状に合わせた独自の目標を設定しました。その目標を達成するためのプロセスこそが、SDGs経営に取り組むことだったのです。この気づきは、アドバイザーの助言があったからこそ得られた非常に大きな学びでした。
Q 設定した目標を具体的に教えてください。
A 環境面では、サステナブルな事業活動が今後の最重要課題と考えています。その活動への貢献が当社の使命です。
社会的な取り組みにおいては、年齢や性別などを問わず能力を発揮できる社内環境の整備や、福利厚生制度をより充実させることによる従業員の健全かつ文化的な生活の支援。さらに、スキルアップのための金融に関する学びの機会を提供することなどを目標に取り組んでいます。
経済については、顧客の財務基盤強化に貢献し、産業と技術革新の土台を守り続け、さらに万が一の傷病・災害から速やかに立ち直れるよう、保険による準備の重要性の周知に注力します。
Q 目標を達成するためどんなことに取り組まれていますか?
A 住宅ローン事業部ではエコ住宅の推進を行っています。また、DXの推進と環境配慮商品の積極活用による環境保全に貢献します。
加えて、自社の福利厚生制度をバージョンアップさせるほか、それぞれの生活環境に応じた柔軟な働き方を選択できる制度を整備します。男性社員の育児休業取得を積極的に推進し、家庭と仕事の両立を支援しています。その他にも、学生や、取引先企業様の社員向けマネーセミナーを定期的に行い、豊かさの実現に貢献します。
Q SDGs経営に取り組むようになって、変化は感じていますか?
A すでにSDGsに取り組まれているお客様とは会話の幅の広がり、関係性の深まりを実感しています。また、自らの営業活動をSDGsと結びつけることで、仕事に対するモチベーションが向上したという社員も少なくありません。

SDGs経営の取り組みに対するプロジェクトメンバーの声

人事総務部・主任
清野 泰子さん
当社の成長に欠かせないのは人材の獲得と育成です。喫緊の課題でもあるため、新卒の採用には特に力を入れています。昨今はSDGsに関心を持っている学生が多いので、SDGs経営を実践していることは採用面でも効果があります。WEBサイトなどで当社のSDGsに対する考え方や取り組み内容を発信できるのもメリットのひとつです。
今回のプロジェクトに参加した新卒社員からは、「この取り組みを通して、自社の価値を客観的に把握することができた。社会に向けてどういった貢献をしていくべきなのかがより明確になり、それがモチベーションにつながっている。」といった声も上がっています。

株式会社ビジコンネクストのホームページはこちら

株式会社ビジコンネクスト
所在地:東京都品川区北品川3-3-5 Daiwa品川御殿山ビル6階・7階
設立:1990年6月
事業内容:企業コンサルティングサービス、ファイナンシャルプランニングサービス、住宅ローン事業
代表者:根本 雅之
従業員数:68名(2023年現在)
WEB:https://www.b-con.co.jp/