ひろがる!SDGs経営に取り組む中小企業東京都内中小企業のSDGs推進事例
【公社支援活用事例】2025/01サービス業
SDGsで可視化する私たちの役割
顧客に寄り添い、共に挑戦していくということ
中村崇二税理士事務所(台東区)
Q
主な事業内容を教えてください。
A
先代から続く税理士事務所として、記帳代行、税務申告書類の作成、税務申告、巡回監査といった一般的な税務代行業務を行っています。顧問先は、北は北海道、南は九州まで幅広く対応していますが、ほとんどのお客様は紹介や口コミでのつながりによるものです。
当事務所は、いわば企業と企業をつなぐハブのような存在だと思っており、例えば何かしらの課題を抱えているお客様には、そのお役に立てそうな別のお取引先をご紹介することもあり、経営コンサルティングの役割も一部担っています。
当事務所は、いわば企業と企業をつなぐハブのような存在だと思っており、例えば何かしらの課題を抱えているお客様には、そのお役に立てそうな別のお取引先をご紹介することもあり、経営コンサルティングの役割も一部担っています。
Q
SDGs経営に取り組んだきっかけを教えてください。
A
昨今はお客様との会話の中でSDGsが話題になることも多く、あるお客様から「形式だけではなく本格的にSDGsに取り組みたい」といったご相談をいただきました。お客様にご提案するには、まず私たちがSDGs経営の本質を知らないといけないと思い、公社のハンズオン支援を申請しました。
日本の人口が減少する一方、2000年に約6万5,000人だった税理士登録者数は、現在8万人以上と増加しています。競争が激しくなる中、SDGs経営を理解し実践することは、当事務所にとっても大きな付加価値になると思っています。
日本の人口が減少する一方、2000年に約6万5,000人だった税理士登録者数は、現在8万人以上と増加しています。競争が激しくなる中、SDGs経営を理解し実践することは、当事務所にとっても大きな付加価値になると思っています。
Q
実際にSDGs経営に取り組んでみて、どのような気付きがありましたか?
A
SDGsは上場企業や環境問題に関わる企業が取り組んでいる印象もあり、税理士事務所で取り組むとなると、どう進めればいいのだろうという不安がありました。そんな中、アドバイザーの先生から、当事務所がSDGs経営に取り組む意義をご説明いただき、持続可能な社会は、私たちの働き方とも深く関わっていることや、今行っている一つひとつの業務がSDGsに関連していることを実感しました。SDGs経営はスタッフの意見をダイレクトに反映しやすいため、むしろ中小企業の方が効果的に取り組めるのではないかと思っています。
また、企業が適正に納税した税金は、国や自治体の環境保全や教育の促進など、様々なSDGsのゴールに寄与しています。その点でも税理士事務所の果たす社会的役割は重要だと再認識しました。
また、企業が適正に納税した税金は、国や自治体の環境保全や教育の促進など、様々なSDGsのゴールに寄与しています。その点でも税理士事務所の果たす社会的役割は重要だと再認識しました。
Q
公社のアドバイザーはどのような助言をしてくれましたか。
A
私たちが出した課題が方向性として合っているのかどうか、その都度確認していただきました。また、同業種の取組事例を数多く紹介してくださったことも大変参考になりました。SDGsは宣言するだけでなく、どう実行していくかが大事ですので、とくにKPIをどのように設定し、どう達成していくべきか、具体的な事例をもとに丁寧に説明していただきました。こうした伴走型の支援でなければ、私たちもそこまで理解を深めながら取り組むことはできなかったと思います。今後、SDGsに関心のあるお客様から相談を受けた際にも、私たち自身の取り組みを参考として紹介することができると思います。
Q
目標を達成するためどんなことに取り組まれていますか?
A
わかりやすいところではペーパーレス化や備品のグリーン調達を進めており、ペーパーレス化に関しては今年の目標を達成できる見込みです。グリーン調達についても、2025年には事務所の50%、2027年には62%と、その比率を上げていくよう目標を設定しています。宣言書はもちろん、それらKPIの更新や達成度などの情報は、kintone(業務アプリ)を使ってクラウドで社内共有できるようにしています。
また、この業界では、専門性を磨くために、出勤前にも自己啓発に時間を割いているスタッフが多くいます。税理士事務所は人が資本ですから、フレックス制の導入やウェブを活用した学習環境の構築など、ワークライフバランスを実現しながら、一人ひとりの成長という部分でのサポートにも注力したいです。
また、この業界では、専門性を磨くために、出勤前にも自己啓発に時間を割いているスタッフが多くいます。税理士事務所は人が資本ですから、フレックス制の導入やウェブを活用した学習環境の構築など、ワークライフバランスを実現しながら、一人ひとりの成長という部分でのサポートにも注力したいです。
Q
SDGs経営に取り組むようになって、変化は感じていますか?
A
今まで意識していなかった取り組みの可能性を感じています。例えば、当事務所のメンバーには英語が堪能なスタッフもいるので、外国人の納税もサポートできます。自分たちの業務をSDGsという新しい視点で見直し、社会に対して何ができるのかを皆で形にしていく機会を得たことはとても貴重な経験となりました。宣言書の一番目にある「顧客に寄り添い、共に挑戦していく事務所を目指す」という文言は当事務所の経営理念に通ずるのですが、そうした理念や行動指針を可視化できたことも有意義でした。
「自分の働いている事務所はこういう事務所です」と一人ひとり愛着を持って語ることができると、チームとしての一体感も生まれます。今後もSDGsへの意識を事務所の全員で共有し、目標に向かっていきたいと思います。
「自分の働いている事務所はこういう事務所です」と一人ひとり愛着を持って語ることができると、チームとしての一体感も生まれます。今後もSDGsへの意識を事務所の全員で共有し、目標に向かっていきたいと思います。
中村崇二税理士事務所 SDGs宣言書
持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、以下の5項目を重要課題として活動を進めてまいります。
・顧客を支えるサービス
税の専門家として、顧客に寄り添い、共に挑戦していく事務所を目指します。
・環境への配慮
ペーパーレス化、備品のグリーン調達を推進し、環境負荷の低減に努めます。
・社員の成長と活躍の支援
ひとりひとりが成長し、輝ける職場づくりに取り組みます。
・働きやすい職場環境
誰もが働きやすい環境を整備、ワークライフバランス・健康経営の実現に取り組みます。
・地域社会への貢献
真摯で誠実な事業活動を行い、社会の信頼と期待に応えながら地域と共に持続する事務所となります。
2024年8月1日
中村崇二税理士事務所
所在地:東京都台東区上野1-18-9 黒門平成ビル7階
設立:2019年5月
事業内容:記帳代行、税務申告書類作成、税務申告、巡回監査、経営コンサルティング
代表者:中村 崇二
従業員数:15名(2024年現在)
所在地:東京都台東区上野1-18-9 黒門平成ビル7階
設立:2019年5月
事業内容:記帳代行、税務申告書類作成、税務申告、巡回監査、経営コンサルティング
代表者:中村 崇二
従業員数:15名(2024年現在)