ひろがる!SDGs経営に取り組む中小企業東京都内中小企業のSDGs推進事例
【公社支援活用事例】2025/12卸売業
「木材」から「木財」へ
木と人をつなぎ、価値を育てる
100年企業のこれからの歩み
一條木材株式会社(江東区)
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Q
主な事業内容を教えてください。
A
当社は、木材の輸入販売を主軸とする木材専門商社です。木造住宅向けの構造用材の卸売を中心に手がけており、大正14年(1925年)に東京・木場で創業し、今年で創業100年を迎えます。海外から丸太や製材品を輸入し、国内で加工・販売を行うほか、近年では国産材を活用した内装材や木工製品の製造、さらには飲食事業など、多岐にわたる分野へ事業を広げています。
Q
SDGs経営に取り組もうとした経緯を教えてください。
A
もともとは、製材時に出る端材を有効活用できないかという発想から、2016年に子どもたちが木に触れる「木育」事業を始めました。この活動を続ける中で、世の中のSDGsの流れと非常に親和性が高いことに気づき、一過性の社会貢献活動で終わらすのではなく、きちんとした事業として確立させたいという思いが強くなりました。そのような中、公社のSDGs経営ワークショップが目に留まり参加したところ、アドバイザーの方からSDGs経営計画を策定する「ハンズオン支援」をご紹介いただきました。
Q
公社のアドバイザーからは、どのような助言があったのでしょうか。
A
ハンズオン支援を通じて、これまで漠然としていた活動状況を、「実績」「今後発展させたい内容」「スケジュール」といった項目ごとに、具体的に整理・記録する方法をご指導いただきました。さらに、中長期的な方向性の検討や経営目標の策定、具体的な行動計画の立案や社内体制の整備に至るまで、多方面にわたる助言をいただきました。特に、アドバイザーとの毎月の壁打ちを通じて、頭の中で散らばっていたビジョンが整理され、組織としての道筋が明確になったことは大きな成果です。また、他社とのネットワーク構築の面でも有益なマッチングサポートを受けました。
Q
公社のハンズオン支援を受けて変化はありましたか?
A
はい、以前は、社会貢献活動と経営の境界が曖昧になっていたこと、そして木育活動そのものをどう維持し、発展させていくかという点が課題でした。現在は、CSR活動として位置づけられている取り組みをSDGsの視点から再構築し、本業に貢献できる事業へとつなげる道筋を整えています。その一環として、会社本体とは別に一般社団法人の設立を検討しており、より広範な組織や個人との連携を可能にすることで、活動の幅を広げ、本業にも好影響をもたらす仕組みづくりを目指しています。
Q
現在取り組まれている木育活動について詳しく教えてください。
A
各自治体や学校を対象に出前授業を行っており、リピートをいただくほどご好評をいただいています。カリキュラムでは、木の匂いや肌触りを実際に体感してもらうほか、「この木はどこから来たの?」というテーマを通じて、環境の循環や森林の大切さ、木材のサプライチェーンについて伝えています。また、当社の林業や製材の現場を紹介するビデオも活用し、子どもたちが自然や木をより身近に感じられるよう工夫しています。
端材を使ったものづくりの場面では、子どもたちの創造力に本当に驚かされました。大人の視点では思いつかないような使い方を次々に生み出し、その自由な発想に感銘を受けました。子どもたちも保護者の方々も心から楽しんでいる様子を見て、この地道な活動に確かな意味があることを実感しました。
端材を使ったものづくりの場面では、子どもたちの創造力に本当に驚かされました。大人の視点では思いつかないような使い方を次々に生み出し、その自由な発想に感銘を受けました。子どもたちも保護者の方々も心から楽しんでいる様子を見て、この地道な活動に確かな意味があることを実感しました。
Q
新しい拠点であるカフェ「NORTHERNWOOD GINZA」をオープンした目的は何でしょうか?
A
BtoB中心だった当社の事業に、一般のお客様との架け橋をつくることです。カフェは、国籍・ジェンダー・年齢を問わず、幅広い層にアプローチできる最適な場であり、木材業界の玄関口として機能させることで、木に興味を持つ人を増やしたいと考えています。また、カフェという枠にとらわれず、今後はさまざまな分野への展開も視野に入れ、ブランドとして大きく育てていきたいです。
この取り組みは、地域活性化や街づくりにもつながると捉えています。これまで接点のなかった層に木材の背景や価値を伝えることで、環境意識の向上にもつながる可能性があり、既存事業との連携によって、会社全体として大きな相乗効果が生まれることを期待しています。
この取り組みは、地域活性化や街づくりにもつながると捉えています。これまで接点のなかった層に木材の背景や価値を伝えることで、環境意識の向上にもつながる可能性があり、既存事業との連携によって、会社全体として大きな相乗効果が生まれることを期待しています。
Q
今後の展望を教えてください。
A
当社は複数の小規模拠点が分散しているため、会社の思いや理念が全体に行き渡るには工夫が必要だと感じています。だからこそ、SDGsの取り組みを社員一人ひとりが“自分ごと”として自然に受け止められるよう、社内での伝え方や共有の仕組みをさらに整えていきたいと考えています。
社外に向けては、木材を単なる建材や素材としてではなく、より広い可能性を持つ、財産的な価値=「木財」として、その魅力を丁寧に伝えていきたいと思っています。一般社団法人の設立も、こうした活動を具体化し、木材業界全体の底上げに貢献するための一歩です。業界のリーディングカンパニーとして、木の可能性をより多くの人々につなげていくことが、私たちの使命だと考えています。これまでの木材会社が踏み込んでこなかった分野にも先陣を切って挑戦し、点在していた活動を線でつなぎ、業界に新たな流れを生み出していきたいと思います。
社外に向けては、木材を単なる建材や素材としてではなく、より広い可能性を持つ、財産的な価値=「木財」として、その魅力を丁寧に伝えていきたいと思っています。一般社団法人の設立も、こうした活動を具体化し、木材業界全体の底上げに貢献するための一歩です。業界のリーディングカンパニーとして、木の可能性をより多くの人々につなげていくことが、私たちの使命だと考えています。これまでの木材会社が踏み込んでこなかった分野にも先陣を切って挑戦し、点在していた活動を線でつなぎ、業界に新たな流れを生み出していきたいと思います。
一條木材株式会社
所在地:東京都江東区木場5-12-8
設立:1946年
事業内容:原木の輸入販売、製材・加工品の製造販売、建材の販売
代表者:一條 達雄
従業員数:26名
WEB:https://www.ichijo-lumber.co.jp/
所在地:東京都江東区木場5-12-8
設立:1946年
事業内容:原木の輸入販売、製材・加工品の製造販売、建材の販売
代表者:一條 達雄
従業員数:26名
WEB:https://www.ichijo-lumber.co.jp/




