ひろがる!SDGs経営に取り組む中小企業東京都内中小企業のSDGs推進事例
【公社支援活用事例】2026/01専門・技術サービス業
SDGsが「道しるべ」となり
自ら考え動く組織風土へ
シノハラ防災株式会社(千代田区)
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Q
主な事業内容を教えてください。
A
建物に設置される感知器や避難器具などの消防機器の工事・点検、および消火器の販売を行っています。祖父が神田の地で創業し、進駐軍向けの消火器部品を製造したことから始まりました。その後、父や叔父たちへと引き継がれる中で、点検や施工まで一貫して行える体制を築いてきました。創業から80年近く、社会情勢や消防法の変化に柔軟に対応しながら、地域の安全を支え続けています。
Q
どのような経緯でSDGs経営に取り組もうと思われたのでしょうか。
A
当社はSDGsという言葉が広まる前から、ISO規格やエコアクション21の認証取得、健康経営の推進など、環境や働きやすさを意識した取り組みを進めてきました。しかし、各施策が個別の取り組みにとどまっており、経営陣のマンパワーに依存していたため、組織全体への浸透や継続性に課題を感じていました。そんな折、公社からSDGs経営セミナーの案内をいただいたことで、改めて体系的に学んでみようと考えたのが、今回の取り組みのきっかけとなりました。
SDGsという言葉に対しては、例えば、環境のために資源を削減するとか、環境に優しい原材料を使うというような、どちらかというと製造業が取り組むべき目標なのではないかという印象がありました。当社は製造業ではないので、正直「SDGsに関われることってあるのかな?」という認識でした。しかし、公社のアドバイザーからお話を聞くと、社員の働きやすさや健康の増進など、企業の持続に関する内容も多いことに気づき、具体的に行動していくことにしました。
SDGsという言葉に対しては、例えば、環境のために資源を削減するとか、環境に優しい原材料を使うというような、どちらかというと製造業が取り組むべき目標なのではないかという印象がありました。当社は製造業ではないので、正直「SDGsに関われることってあるのかな?」という認識でした。しかし、公社のアドバイザーからお話を聞くと、社員の働きやすさや健康の増進など、企業の持続に関する内容も多いことに気づき、具体的に行動していくことにしました。
Q
貴社のSDGs経営プロジェクトについて教えてください。
A
公社のセミナーやワークショップへの参加を通じて、私自身のSDGs経営に対する理解は深まりましたが、社員と共に進める段階においてはアドバイザーの伴走支援を活用しました。社内にプロジェクトチームを立ち上げて全社員の約1/3をメンバーとして選抜し、2025年4月から本格的にSDGs経営プロジェクトを開始しました。各メンバーからは、自分たちの健康や働きがい、地域とのつながりや知的財産の継承などが取り組むべき目標として多く出されました。「地球環境」といった大きなワードに引っ張られすぎずに、より身近な問題からSDGsを捉えることができたと考えています。プロジェクトチームから出た意見をまとめて現時点で大きく以下の5つの目標を設定しました。
- ①現場で培われた技術や知識(知的財産)を次世代へ継承するため、業務情報をデジタル化し共有する。
- ②適正な労働時間の確保と従業員の健康を守るため、計画的な人材採用を通じて業務負荷の分散を図る。
- ③持続可能な資源利用と業務効率化のため、社内外の資料を電子化し、ペーパーレス化を推進する。
- ④社員一人ひとりの成長と自己実現のため、健康で働きがいを持って活躍できる職場環境を整備する。
- ⑤地域とのつながりとチームワーク強化のため、社内外の活動へ積極的に参加する。
Q
印象的なエピソードがありましたら教えてください。
A
プロジェクトチームには若手からベテランまで幅広い年代の社員がいるのですが、一番若い社員は「私は15番の目標(注:SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」)に取り組みたいです」とSDGs経営について説明を聞く前の段階から自然に話していて驚きました。学校でSDGsについて学んできた世代と、そうした教育を受けてきていない世代とのギャップも当然ありますが、いろいろな年齢層の視点がミックスされることで新しいものが生まれるのではないかと期待しています。また、知的財産の共有を目的としてノウハウの文書化に取り組む際には、最も負担が掛かることになりそうな社員が「実は前からやりたいと思っていました」と快く賛同してくれたり、別の社員は後輩のために社内教育用のビデオを作ってくれていました。社員それぞれの思いや、コツコツと続けてきた努力が今回の取り組みの中で表に見えてきたのは非常にうれしいことです。
Q
SDGs経営プロジェクトを実施して、どのような変化を感じていますか?
A
大きな変化は、社員の中に「自分たちが作り上げていく」という意識が芽生え始めたことです。新しい取り組みを始める際、どうしても経営陣からのトップダウンになりがちですが、それでは社員が「会社にやらされている」という受け身の姿勢になってしまいます。今回は組織改革の意味も込め、あえて社員一人ひとりが自ら考え形にする、ボトムアップ型にこだわりました。SDGsは非常に幅が広く、日常のあらゆる業務と結びつけることができます。「自分たちが本当に取り組みたいことは何か」を深掘りするプロセスを経て、社員の意識は確実に変わりつつあります。
また、経営の視点でも大きな発見がありました。SDGsという一つの芯ができたことで、先代が守ってきた伝統も、今私たちが挑戦していることも、すべてが当社のストーリーとしてつながりました。SDGsの視点で見れば本当にやるべきかどうかがわかる、言ってみればSDGs経営は当社の進むべき方向を示す「道しるべ」にもなっています。
また、経営の視点でも大きな発見がありました。SDGsという一つの芯ができたことで、先代が守ってきた伝統も、今私たちが挑戦していることも、すべてが当社のストーリーとしてつながりました。SDGsの視点で見れば本当にやるべきかどうかがわかる、言ってみればSDGs経営は当社の進むべき方向を示す「道しるべ」にもなっています。
Q
今後の展望をお聞かせください。
A
目標を5つ設定しましたが、これから具体的な行動計画に落とし込み、一つひとつクリアしていく予定です。まずはやってみて、「意外とできたね」とか、「なかなか難しい目標だったね」とトライ&エラーを繰り返しながら、形を作っていきたいと考えています。 今後は全社員にSDGs経営の意識を浸透させて、会社全体の取り組みとして社員一人ひとりが自信をもって活動できるようにしていきたいです。それがいつか業界における当社の強みになり、社員全員でさらに大きな目標へと突き進む力になると思っています。
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シノハラ防災株式会社
所在地:東京都千代田区内神田2-7-10
創業:1948年10月
設立:1967年5月
事業内容:消防機器の販売、施工、点検、建築基準法による各種定期検査
代表者:篠原 徹
従業員数:24名(2025年現在)
WEB:https://www.shinohara-bosai.co.jp/
所在地:東京都千代田区内神田2-7-10
創業:1948年10月
設立:1967年5月
事業内容:消防機器の販売、施工、点検、建築基準法による各種定期検査
代表者:篠原 徹
従業員数:24名(2025年現在)
WEB:https://www.shinohara-bosai.co.jp/



