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ビジネスプラン募集

■東京シニアビジネスグランプリについて

「東京シニアビジネスグランプリ」は定年退職後等の選択肢として起業を普及促進する事を目的に、 東京都内で起業を目指すまたは東京都内で起業後5年以内の55歳以上を対象としたビジネスプランコンテストです。 今年度は総勢114名のエントリーをいただきました。
書類審査、面接審査を経てファイナリスト10名を選出し、令和6年2月11日(日)に「東京シニアビジネスグランプリ・ファイナル」 を会場観覧とオンライン配信のハイブリッドにて開催しました。

■結果発表

最優秀賞

新村 美和子 さん

循環型生活を広げるコンポストの専門店

入山 公成 さん

ペット用オーラルケア製品の製造販売業

田村 哲雄 さん

社会インフラ設備を支えるAI赤外線サーモ

オーディエンス賞は会場観覧&オンライン配信視聴者の投票により決定いたしました

新村 美和子 さん

循環型生活を広げるコンポストの専門店

■東京シニアビジネスグランプリ 審査委員長講評

各務 茂夫氏
審査委員長
各務 茂夫氏

東京大学 大学院
工学系研究科 教授
産学協創 推進本部 副本部長
日本ベンチャー学会 会長

ファイナリストに選ばれるだけでも、大変素晴らしいことだと思います。まずは10名の方全員にお祝い申し上げます。おめでとうございます。ここに至るまで、ご家族、ご友人、あるいは会社の同僚等多くの方々のご支援があったと思います。サポートされた方々にもに敬意を表します。これまでの皆様のご経験・積年の思いが今回のビジネスプランに反映されていました。この東京シニアビジネスグランプリの一番本質的な部分ですが、皆様のこれまでのご経歴、ご知見を次のステップにどう活かすかという答えが、皆様の提案の中にあったように思います。
最優秀賞、優秀賞、奨励賞を決定した理由についてご説明をいたします。
まずは、最優秀賞「循環型生活を広げるコンポストの専門店」の新村様です。今回のビジネスプランは、生ごみの堆肥化により家庭菜園に活かすだけではなく、生ゴミを家庭内のコンポストで分解しそれを社会の中で活用していく、循環型社会を作っていくということで、ものすごく大きな世界観を感じました。ビッグピクチャーを描いており、素晴らしいことだと思います。ぜひ大志を抱いて事業を進めていただき、本日発表された内容よりももっと大きな構想を描いていただきたいと思います。素晴らしいビジネスプランでございました。
続いて優秀賞「ペット用オーラルケア製品の製造販売事業」の入山様は、これまで人間の医薬品に関わって来られて、そのご経験を今回ペットに応用するプランでございました。ペットの口臭問題のみならず、歯周病のような、人間にも発生するものをペットに置き換えた着眼点は素晴らしいと感じました。2023年7月に会社を設立され短い期間にも関わらず、かなり具体的な商品開発を含むご提案であると思います。人間の口腔衛生の世界で言うと、歯周病は万病の源であり他の病気にも大きく影響するともいわれております。同様に、ペットの高齢化に伴って動物用オーラルケア製品も可能性が広がっていくのでしょう。入山様にもビックピクチャーを描いていただき、愛犬デコピンのため大谷翔平さんが最初のユーザーになることを目指していただきたいと思います。
奨励賞「社会インフラ設備を支えるAI赤外線サーモ」の田村様は、インフラ設備の現場の様々な問題をAIで解決することをご提案いただきました。前職の経験を活かし、AI搭載赤外線サーモで診断することでインフラ設備の故障を予知し、人手不足でも設備保全に役立てるというものです。本事業には多くのプレイヤーがおりますので、田村さんは事業全体を統括するプロデューサーとして役割を果たしていくかと思います。どのように付加価値を生み出しマネタイズしていくのか課題はまだありますが、ぜひ応援したいという気持ちから今回奨励賞とさせていただきました。我が国が抱えている、労働集約型で旧態依然とした産業にAIを投入して自動化することで大きく事業が進展することと期待します。
他の方々に対しても共通コメントとして申し上げたいことがあります。皆様がこれまで培ってきた、業界の深い知見を武器に事業化を構想するということですが、考えていただきたいのは、個人事業主という形よりも組織としてどういうことができるのかという発想に立ってほしいということです。皆さん共通して、少し謙虚すぎるかなと感じました。これまで培った知見を活かして事業を興すのであれば、前職よりも遥かに高い給与をとるぐらいの大志を抱いてほしいです。我が国にとってシニア起業のロールモデルになっていただきたい。シニア起業したら、もっと大きなことができるんだという発想に立ち、もっとスケーラブルな事業を練っていただくと良いと思いました。これが審査員の総意で、最後にお伝えしたかった点です。
最後になりますが、個々のプランはそれぞれ素晴らしいものでした。ぜひ歩みを止めずに前に進めていただきたいと思っております。あらためましたて、おめでとうございました、と申し上げて講評とさせていただきます。

■審査員コメント

髙橋 ゆき氏
髙橋 ゆき氏

株式会社ベアーズ
取締役副社長

皆様本当に素晴らしいプレゼンテーションで私自身もたくさんの気づきを頂戴しました。私は26年前に起業した時、経営の先輩に「あなたのアイデアは愛が詰まっていていいわね。それをサステナブルなものにすることが一番重要よ」とご指導を受けました。私がその先輩に「サステナブルにする秘訣を教えてください」と聞いたところ、「社会性と独自性と経済性。このトライアングルがないとダメよ」と教わりました。
皆様全員に共通して言えるのは、人を幸せにする事業であり、ご自身も幸せそうだなという印象を受けたので社会性はあると思います。そして独自性もたっぷりあると思います。残すところは経済性ということで、ぜひビッグピクチャーを描いてサステナブルに事業が続くよう、踏ん張っていただきたいなと思いました。
それから、新村様、入山様、田村様、おめでとうございます。お三方の事業は、幸せの循環と書いて「幸循環型」事業であると感じ、とても感銘を受けました。これから日本を変えていく、そんな皆さんたちの想いを開花していただきたいなと思います。皆様本当におめでとうございます。

山口 里美氏
山口 里美氏

株式会社グランサクシード
代表取締役

まずファイナリストの皆様、本日は本当に素晴らしいプレゼンをありがとうございました。私も28年前に起業したときのことを思い出して、たくさんの勇気をいただきました。皆様それぞれがペットや地域、そして地球に優しいお考えをお持ちだなと感じました。これまで培ってこられた技術、経験を今まさに最後のビジネスとしてチャレンジしよう、そんな気概も感じられました。私は皆様と同じ世代です。「もうビジネスをやめようかな」、「M&Aしようかな」こんな言葉が出てくるような世代になりました。でも皆さんはここから新たにチャレンジをされようとし、本当に素晴らしいと思います。
だからこそ審査委員長のお言葉にもありましたように、本当に素晴らしい思いを持っている皆様ですから、日本を変えてやろう、世界に挑戦してやろうそんな思いで、また本日を境に頑張っていただきたいと思っております。これから、ビジネスの世界でご一緒できますことを楽しみにしております。本日は本当におめでとうございます。

小平 和良氏
小平 和良氏

株式会社日経BP
経営メディアユニット
ユニット長補佐
日経トップリーダー
前編集長

ファイナリストの皆様本日は素晴らしいプレゼンをありがとうございました。皆様、社会課題に正対したビジネスプランをプレゼンしていただきまして感心、感動しました。
先日、ある大学のゼミ対抗プレゼン大会に出席する機会がありました。その講評で、「今考えていることは自分たちが解決しなくてはいけない課題なのだから、もっと真剣に取り組んでください」と伝えました。ファイナリストの皆様は、経験、知見を豊富にお持ちなので、私が学生向けに講評した「自分ごと」というのを若い世代に伝えていただき、さらに周りを巻き込んでより大きいビジネスにしていただければと思います。
私はこれまで取材を通して様々な経営者と会う機会がありました。良い経営者に共通する特徴が一つあります。それは「失敗を知らない」ということです。失敗をしないという意味ではなく、成功するまでやり続けるので「失敗を知らない」ということです。本当に皆様諦めが悪い人たちだなと思います。皆様も、ぜひ大きいビジネスに育てていただければと思います。皆様本日はおめでとうございます。

藤見 佳奈枝氏
藤見 佳奈枝氏

株式会社日本政策金融公庫
国民生活事業本部
東京創業支援センター所長

本日はおめでとうございます。
先日、東京シニアビジネスグランプリOBの方とお話する機会があり、2点印象に残っていることがあります。まず1点目は、想像していたよりも起業はスピードが速いということ。課題が見つかったとき、会社員時代は「来週打ち合わせしよう」でしたが、起業後は「明日打ち合わせしよう」に変わり、スピード感が大きく異なることに驚いたそうです。もう1点は、本イベント主催者の東京都中小企業振興公社が運営しているTOKYO創業ステーションのプランコンサルティングで、何度も何度も事業計画書の打ち返しにあったこと。当時は大変だったけれど、その体験は起業後の財産になったとおっしゃっていました。
皆さまは、今後、本格的に起業にチャレンジすることになりますが、ファイナリスト同士で切磋琢磨しながら、ご自身の事業計画書をブラッシュアップし、より高みを目指して頑張っていただきたいと思います。皆さまのご活躍を期待しています!
ちなみに、先ほどのOBの方に「起業してどうですか」と伺ったところ、「大変です!」とおっしゃっていました。でもその笑顔は、その日一番のビッグスマイルでした。数年後、皆さまのそのような笑顔を拝見できることを楽しみにしております。

■当日の様子

ファイナリストプレゼンの様子

基調対談
「人生100年時代のキャリア開発と人生設計
~定年後キャリア請負人に聞く、シニア起業の秘訣~」
大杉 潤 氏 青木 源太 氏

表彰式


SNS

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第2回
第3回

ー 主催 ー
公益財団法人東京都中小企業振興公社