信頼される製品でお客様に満足戴いた先に
永続的な発展と社会的な貢献がある
株式会社荒川樹脂
2026年7月
- 省エネ
- 工程改善
- 助成金活用
- 太陽光発電

“2年半のハンズオン支援を終えるに当たり、どのような感想を持たれましたか?”
「ゼロエミッション(脱炭素)を目指すのは社会的な責務。当社の様な中小企業も避けては通れないことであり、それならば5年~10年の中長期的な視点で臨み、お客様から「選ばれる企業」になろうと考えました。道半ばながら、ハンズオン支援の2年半で徐々に形になったと感じています。」
株式会社荒川樹脂は荒川区のほかにつくばみらい市に4つの工場を持つ、医療機器・検査器材や半導体関連容器のプラスチック成形メーカー。エネルギー使用量(原油換算値)で1500kLを超える省エネ法上の特定事業者に当たり、省エネ活動はコスト面や法対応からも継続的な課題だった。
同社がハンズオン支援を始めたのは2024年1月。それ以前から省エネタイプの設備導入や天井照明のLED化、エアコンの温度設定など省エネ活動などには取り組んできたものの、従業員にとって、ゼロエミッションやカーボンニュートラルへの取組みという意識は浸透していなかった。そこで、ゼロエミ活動を社内文化として定着する手段として経営企画部の山田部長が、公社ゼロエミ推進事業に申し込んだのが始まり。
まずは経営幹部の皆さんにゼロエミ経営(※1)の重要性を理解してもらい、実行が可能な工程を作ることが肝要と判断。経営幹部への説明会には公社の幾島経営推進マネージャーにも同席してもらい、通常より時間をかけて深化した計画を策定。
従業員ひとりひとりにとって馴染みのないゼロエミ活動を追加作業にならぬよう、ISO9001の環境負荷低減活動の延長線上に重ねて実行可能なものに落とし込んだ。そのことがハンズオン支援の実施段階で効果を発揮することになる。
ハンズオン支援期間中に取り組んだゼロエミ活動は、次の三本柱。
- 設備改善(公社ゼロエミ事業助成金を利用)
- 非化石エネルギー転換(公社エネルギー自給促進事業を利用)
- 運用改善
(※1)ゼロエミ経営:ゼロエミッション(廃棄物削減・脱炭素)活動を通じて、企業経営をより良くして戴くことを指す。
ハンズオン支援が実施段階に入った2025年初め、千代田様が社長就任。就任に際し社長自身がゼロエミ経営推進のプロジェクトリーダーとなることを宣言、プロジェクト会議を定期開催するとともに、全従業員に対し中期経営計画基本方針に「社会的な貢献」を盛り込んだことを発表し、ゼロエミ経営を社の方針として共有した。
“御社の規模で社長自らがプロジェクトリーダーになられるのは、希かもしれません。大変ではありませんでしたか?”
「当社ではほかのプロジェクトにおいても私がリーダーになっています。中小企業では新しい取り組みを始める場合、トップが自らリーダーシップを発揮するのは当然だと思います。ゼロエミ経営活動について、最初は『一体どんな活動なのか』と思った従業員も多かったと思いますが、徐々に理解が深まりました。実際に工場では紙コップやファックスの廃止をゼロエミ会議の場で提案する従業員もいました。また、公社から紹介され視聴した「国連環境開発会議」におけるセヴァーン・スズキさんのスピーチに感銘を受け、ゼロエミ活動の本質を理解した社員が多くいた事は印象に残っており、活動を後押ししてくれたと感じております。」
幾島マネージャーによると、プロジェクト会議の回を重ねるごとにメンバーの理解が深まっていくのが感じられたとのこと。如実な変化としては、生産性向上がCO2削減につながっているという共有意識の高まりであり、全社のCO2発生のみならず、個々の活動のCO2数値をメンバー自ら計算、共有されたことなど。日々の(生産)改善活動がゼロエミ経営活動に直結していると強く認識し行動に移すメンバーが増え、全従業員への意識浸透に一役買っている。
「この2年余りのゼロエミションの取組みが具体的な新規顧客の開拓につながったわけではありませんが、将来的にはサプライチェーンにおいて積極的に当社をPRできる強みになると信じています。」
今回ハンズオン支援は終了するものの、社内外のステークホルダー向けのPR活動充実が進行中。すでに支援段階から自律運営段階へとステージアップしている。25年度の最終プロジェクト会議において、ベテラン社員のプロジェクトメンバーからは自発的に「具体的にこの課題に取り組もう」との提案があった。また、公社が開催した「R7年度ゼロエミ人材育成講座」(※2)に参加し、触発を受けた中堅メンバーは、工場の電力デマンド管理を深化させ、製造設備毎の細分化分析に取り組み始めたとのこと。
(※2)R7年度 ゼロエミ人材育成講座
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/shien/zeroemi/projects/jinzai.html
千代田社長は「道半ば」と発言されたが、策定したロードマップの先の先に向かい、すでに次世代のリーダー候補達が自律的にゼロエミ活動を深化・進化させ始めているのは、同社にとっても支援した公社にとっても非常に頼もしいことである。
企業情報
| 企業名 | 株式会社荒川樹脂 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都荒川区荒川5丁目39番2号 |
| 設立 | 1951年 |
| 事業内容 | 医療機器・各種診断検査器材・半導体関連容器等プラスチック製品の企画・開発・製造 |
| 資本金 | 5,000万円 |
| 従業員数 | 180名 |
| WEB | https://arakawajushi.co.jp/ |
【ゼロエミッション経営推進支援事務局より】
株式会社荒川樹脂、千代田様、山田様、ご多忙の中時間を割いていただきありがとうございました。貴社のようにハンズオン支援終了後の企業様がゼロエミ経営を自律運営できるよう、公社ゼロエミ経営推進事業事務局として、今後もサービスの質を上げていくよう努力致します。