事例集

●事例04

人の繋がりや思い出を地図に残すアプリ事業
第2回東京シニアビジネスグランプリ ファイナリスト
 
Vision Planner株式会社
代表 塚田勝之さん

代表者インタビュー

事業内容と起業に至る経緯を教えてください。
弊社のメイン業務は、事業開発のコンサルティングです。
私は長年、大手IT企業等で事業開発、M&Aに携わってきました。実行実務を積上げ事業化、M&Aの責任者を歴任したキャリアがあります。起業は若い頃から意識していました。一方で、在籍していたのが大手企業だったこともあり、会社には一生いるものという先入観のようなものもありました。しかし、アメリカに留学する機会に恵まれ、起業を強く意識するようになったのです。
帰国後は、起業に向けて様々な計画を立てました。そして、考えているだけではなく、退路を断つことを決意。スタートラインに立つために辞表を出しました。その後、縁あってロボットのプロデュース会社の社長を務めさせていただきましたが、自分がオーナーではないので納得できる事業展開は難しい。やはり自分の思うような事業展開をするには起業するしかないと思ったのです。
起業にあたり、どのような準備をされたのでしょうか。
私の場合、まずは会社を作ることから始めました。事業化は数多く行い、会社社長を任されていたとはいえオーナーではなかったので、会社の登記方法や税金関係など、細かいことは何もわかりません。しかし実際に自分で起業してみると、それらは細かいことではなく大切な業務であることがわかりました。役所に行ったり、銀行に行ったりして、何をすればいいのか、どんな手続きが必要なのか、直接聞いて回る毎日です。そんな時、丸の内の「TOKYO創業ステーション(以下「創業ステーション」)」を知りました。これが大きかったですね。
創業ステーションの1階には、起業をしたいと考えている人が利用できる「Startup Hub Tokyo 丸の内(以下「スタハ」)」という施設があります。スタハにはイベントスペースがあって、起業に役立つ様々なイベントを開催しており、さらにコンシェルジュが相談にも乗ってくれます。私はまず、スタハに行きコンシェルジュ相談を受けました。ただし、私の場合は相談といっても、やりたい事業はわかっているものの「何を相談して良いのか」がわからないような状態でした。シニアで起業をお考えなら、そういう方も多いのではないでしょうか。「どこが不安ですか」と聞かれても答えられない。私も「何がわからないのかが、わからない」、そんな状態でのスタートでした。
創業ステーションの2階には、「Planning Port 丸の内」という施設があり、具体的に起業を考えている人を支援してくれる機能がたくさんあります。そこで私が次に利用したのが、事業計画書の作成支援「プランコンサルティング」です。事業計画書は自分で書いたことはありませんが、事業開発に携わって評価してきた経験がありましたから、よくわかっているつもりでした。しかし実際に作成してみて、本当はまったくわかっていなかったことを思い知らされました。たくさんのアイデアがあるので書きたいことが多過ぎて、自分で読んでもわからないくらい複雑な事業計画書になってしまいした。そこで、自分の頭の中を整理することを目的にして事業計画書を書き直し、その中で最初にやりたいサービスを第2回 東京シニアビジネスグランプリに応募したのです。
事業計画書を書き直す際に担当していただいた相談員の方は、私の出したビジネスプランを読んで、「ここは理解できる」、「これは理解できない」と指摘してくれたので、貴重なコメントとなりました。
第2回 東京シニアビジネスグランプリに参加した感想を聞かせてください。
東京シニアビジネスグランプリのファイナリストを対象とした勉強会では、プレゼンテーションの方法を学ぶことができました。
ファイナルイベントのプレゼンテーションでは、シニア世代が事業を興して成功したモデルケースになるという気概を持って挑みました。
東京シニアビジネスグランプリに参加してファイナリストになったことは、ビジネスプランを実行する後押しになり、もう1つ前に進もうというモチベーションになります。メンタルに大きなプラス作用をもたらしてくれたと感じています。
ピジネスプランの内容と、今後の展開を教えてください。
KIZUMA(絆マップ)というスマホ用のアプリを開発し、SNSとして発展させます。今のSNSは、GoogleやAppleといった海外のものに席巻されています。そこで、もっと日本人的な切り口が欲しいと思いました。そのキーワードが「絆」です。
ビジネスや日常生活で、最も重要な基盤となるのが人との繋がりです。自分の足跡を地図に残し、その時間を共に過ごした友人や仕事仲間と共有できるのがKIZUMA(絆マップ)です。地図上にマークした場所に、時間、写真、コメントが記録できますので、思い出の共有はもちろん、訪れた場所と人との繋がりを再認識することができます。人との繋がりが思いの外たくさんあることに気付き、新たな人脈の構築にも結びつくのではないでしょうか。
現在リリースしているアプリは、ファーストバージョンです。今後はメインであるコンサルティング業務の強力なツールとなるように、システムをバージョンアップさせていきたいと考えています。
★起業を考えているシニア世代の方に、メッセージをお願いします。
会社を設立することは簡単です。起業してビジネスプランを実現したいと思ったら、それもできるでしょう。なぜなら、起業をサポートするファンクションは、実はたくさんあるからです。
会社員として勤め上げることを良しとするなら、それもひとつの人生です。でも、そう思っていないのであれば、自分の気持ちが動いたタイミングでぶつかってみてください。ビジネスでも、プライベートの趣味でも、自分がやろうと思った時がスタートのタイミングです。もちろん年齢も関係ありません。私のように、一歩踏み出してください。

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