事例集

●事例03

立体感で閲覧意欲を喚起するウェブサービス
第3回東京シニアビジネスグランプリ 奨励賞
 
ガラクーダ株式会社
宇佐美 真さん

代表者インタビュー

事業内容について詳しく教えてください。
特許出願済みの自社開発ウェブツール「Trans-X」を提供する事業を展開しています。
今まで培った経験からコンサル業も併せて行っていますが、自社発で新しい事業を生み出したいと考え、独自技術としてこの事業を展開することを決めました。
SaaSベースの立体サムネイルと導線移動を提供するウェブツールであり、企業が自社ウェブサイトで活用いただくことで、ウェブ訪問顧客が視覚的立体感を感じながら、楽しくゲーム感覚でウェブサイトを閲覧できます。簡単にいうと一種の「どこでもドア」のような世界をウェブ上で実写を使って実現したいなと考えています。実際にどのようなものなのかをYouTubeで公開していますので、ぜひご覧ください。
https://youtu.be/w4fHeOtbnIc
この事業はいつから考えていたのですか。
前職の時に、360度カメラの企画に携わっていたのですが、この商品が思っていたほど世の中に広がりませんでした。
「時間と場所を切り取る」をコンセプトに、コンシューマーの方に広く使っていただきたい思いがあったのですが、世の中にうまく訴求できていないという気持ちなど、いろいろなことを考えていたことがこの事業を考えるきっかけです。
その思いから起業を決意したのですか。
2021年に早期退職して、技術シーズと市場ニーズを結び付けてイノベーション創出を支援するコンサルティング業務をはじめました。2022年7月に、これまでのコンサル業に加えて、自社発サービスの「Trans-x」を新規事業として立ち上げることを主な目的として、法人化を行いました。
私たちは、スマホなどが無い時代には3次元の関わりしかありませんでした。駅で待ち合わせをすることなどです。連絡ツールが無かったため、昔は非常に不便でしたが、今は携帯電話の普及やSNSの発展などで世の中が便利になったと感じます。ところが、それまで3次元の物理世界で対面していたのに、ふと気づくとスマホやウェブサイトの2次元平面の中に、今は閉じ込められているのではと感じてしまいました。
現在の企業ウェブサイトは、インターネット初期から代わり映えのしない2次元平面的なものがほとんどです。そこで、より立体感を演出することで平面でも3次元のように見えるようなサービスを構築して各企業のウェブサイトを立体的に表現できるような仕組みを作って楽しくストレスなく直観的に活用していただけるようなサービスをお客様に提供していきたいと考えています。
起業で苦労したことはありましたか。
前職は、何も当てが無いまま退職しました。退職時お世話になった方々にメールをしていたら、運良く2人の方から「辞めるなら手伝って」とお声がけをいただいたことからコンサル業を行うことになりました。現在もその2社とは仕事をしています。
コンサル業は、在庫リスクや仕入れリスクがないためそこまで苦労はありませんが、新規事業は別です。私とコントラクターと少人数で事業を進めていて、現在はお客様に対して実証実験をさせていただいている段階です。お客様に本事業の価値を感じてもらえるかを、提案をするのが一番苦労しています。
また、私のサービスはソフトウェアを提供することなので、比較的真似されやすいと感じています。そのため特許出願して権利を保護しましたが、その経費の出費も痛かったです。
シニア世代の方に創業のポイントなどを教えてください。
スティーブ・ジョブズ氏も演説で言っていましたが、「最初から何かを考えて計画を練ってやってもその通りいかない」と。私もそう感じています。今までずっとやってきたことがいくつかあって、その点と点が繋がり、それが自分の強みになるのではないかと思います。自分では気づいていないとしても、必ずあるはずなのでその点と点を掛け算すれば強みになってくるのではないかと思います。自分で洗い出したり、人に聞いたり。一つの会社にいると見えにくくなることもあるため、他の会社の方や友達から聞いてみるのもいいのではないでしょうか。自分の強みのポイントが自分の好きなことと一致することが、事業成功に繋がるのではと思います。
最後に今後の事業プランをお書きください。
今の事業は、自分の好きなことなので楽しいです。目的は、日本の技術を世界に発信できたらいいなと考えています。コンサル事業も同じ気持ちで進めています。日本発のイノベーションが起きればうれしいです。

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