事例集

●事例04

日本文化のZ世代継承で豊かな日本を創生
第3回東京シニアビジネスグランプリ ファイナリスト
 
個人事業として準備中
朝岡 正裕さん

代表者インタビュー

事業内容について詳しく教えてください。
新潟県南魚沼で大久保農園をサポートする形で現在は無償で事業を展開しています。事業の内容は築145年の古民家を拠点とした農業体験を通じた都会との交流と地域創生です。
都会の方たちに向けて田植えや稲刈りなどの体験交流を実施しており、さらに様々な地域ツーリズムを企画中です。
現在は築145年の古民家を民泊施設にしようと準備を進めています。
これまで民泊は管理者の要件制度が厳しかったのですが、近年規制が緩和されたため、2024年度以降は本格的に民泊開業に向けて動いていきたいと考えております。民泊施設完成後は、南魚沼に人を呼ぶ流れを作り南魚沼地域の発展に貢献していきたいと考えています。
南魚沼で事業を展開したのはなぜですか。
大学院時代、南魚沼に家族で居住していました。その頃は私の子供が保育園児で、保育園で受ける教育が「自然教育」「環境教育」「情操教育」など、都会にいると受けられないものばかりで、南魚沼ならではの教育の大切さを実感しました。自然に触れ合う大切さを都会にいる子供達にも味わってほしいと思い、南魚沼と都会をつなぐ地域交流事業モデルを、まずは自分の手で生み出したいと考えました。
  
起業で苦労したことはありましたか。
ありましたね…。
外部の人(地元民ではない人)が入ってきて、いざ事業を進めようとすると、保守的な地元民との新たな事業に対する熱量が異なるため、そのギャップに一番苦労しました。しかし関係性を構築しないことには事業が進んでいかないので、小さなことでも自分の思いをオープンにすることで打ち解けていき、関係性を構築していきました。誠実な姿勢と人脈づくりは起業において一番大切なことだと思います。
 
以前の仕事の経験は生かされましたか。
企画・事業開発・広報に従事した経験が活かされました。理論的な事(ロジックの組み立てなど)と実践的なマーケティングと両面の経験があったことで具体的な事業を計画・実行する上で非常に役立っていると実感します。様々な人的ネットワークを中心とした関係資本を構築できたことが最大の財産で今後の支えです。
シニア世代の方に起業のポイントなどを教えてください。
企業や家庭に束縛されるファースト・キャリア時代は「どう思われるか」「どう評価されるか」を軸に働いてきていたと思いますが、シニア世代になると「どうありたいか」を自分軸の中心に据えられます。起業することで自分のやりたいことができる環境に身を置けます。今までの経験はすべてこれからの第2ステージへの準備期間であり、人生後半の余白にどんな自己表現を展開するか、経験・ネットワークと挑戦心でアート作品を作り上げていくのがシニア起業のような気がします。
東京シニアビジネスグランプリに参加していかがでしたか。
ファイナリストの方々とは今でも交流があります。同じ思いを持っている方たちと歩んでいくのは素晴らしい経験でした。
学校を卒業してから横の意識を感じなかったのですが、同じ思いの方・年代の方と学ぶ機会を得られたのは非常によかったです。
今はファイナリストの方、経由で別の繋がりもできています。グランプリファイナルの時にファイナリストの応援に来られていた方が僕と同じアイデアをお持ちで、僕のプレゼンが終了した後に声をかけていただきました。今では月例の交流会に発展しています。
そこでも繋がりができたことは、東京シニアビジネスグランプリに応募したからだと思います。
最後に今後の事業プランを教えてください。
65歳から本格的にアクセルを踏み込んで事業を進めていきたいと考えています。それまではボランティアベースに様々なネットワークを構築していきます。経験や知識・アイデアを提供し、築かれる関係性・信頼関係が僕にとっての報酬です。まずは民泊の免許を取得して、ジビエ事業を本格的に始動していきます。またツーリズムコンテンツを増やす計画を立てています。現在は農業体験のみなのですが、今後はジビエ狩猟体験、錦鯉の養殖体験、酒作り体験も展開していきます。
マーケティングでは顧客の拡大を目指します。企業や大学、インバウンドへと広げられるのではと感じております。
都内でも、南魚沼で採れたお米を販売するイベントなどを定期的に開催していきたいと考えています。銀座に新たにオープンする「新潟のアンテナショップ」や日本橋にある「ブリッジにいがた」で開催する予定ですので、興味ある方は是非参加してください。詳細は「南魚沼 大久保農園」で調べてみてください。体験の様子も動画でご覧いただくことができます。

© Copyrights 東京シニアビジネスグランプリ All Rights Reserved.