事例集

●事例09

靴がワクワクする日常を連れてきた!
第3回東京シニアビジネスグランプリ ファイナリスト
 
株式会社サエスタ
星川 彩子さん

代表者インタビュー

事業内容について詳しく教えてください。
高齢女性をターゲットに、ワクワクするようなオシャレ感のある靴を提供します。高齢女性の介護用品靴は、デザインや色が地味なものが主流になっています。転ばないことや安全性を重視して作られているのでオシャレ感が足りないのです。カタログを見ても種類は少なく、履物の選択肢が狭まってしまいます。高齢女性に好みの靴を履く喜びを感じてもらい、また積極的に歩く機会を増やすことを通して心身の向上に繋げ、少しずつ増えていた「諦め」を減らして前向きで晴れやかな気持ちになれるような取り組みができればと思っています。
起業した時の経緯を教えてください。
前職では事業会社でバックオフィス業務に従事していました。年齢を重ね役職が上がり、仕事を任せられることになり、東京から地方に転勤することになりました。母の介護も必要になる中での転勤でしたので、地方にいると母の面倒を見ることができないなどの理由も重なり、退職を決意しました。
退職した後、漠然と手仕事によるモノづくりをやってみたいと考えていました。ハローワークで相談したところ義肢装具製作を学べる職業訓練学校があることを知り、通い始めました。学校に通ってモノづくりを経験していく中で、母の介護用シューズを「オシャレにしてあげたい」と考えそれなら「自分で製作すればいいか!」と、思ったのが起業を考えたきっかけです。
現在は、事業をどのようにすすめているのですか。
東京シニアビジネスグランプリではビジネスプラン段階でした。現在は製作に取り掛かっているのですが、商品は手元になく販売には至っておりません。サンプルとして実際に母の靴を製作しようと思い、足型を測って1から製作を進めているところです。
私の場合、前職とは全く別業種なので、東京都が主催している職業訓練を受けたり資格を取得するなど、0から様々なことを学んでいます。
起業で苦労したことはありましたか。
モノづくり製作が初めてだったので、カッターで真っ直ぐ切れないなど道具の扱いがうまくできず苦労した点は多くありました。テレビで見る職人さんは、さっさと綺麗に切っていますけど実際うまくはいかないですね。知識と技術が身についていないので大変でした。
シニア世代の方に創業のポイントなどを教えてください。
先ほども申し上げた通り、前職は全く違う職種をしておりました。違う職種でも、これまでの経験が役に立つこともあります。例えば会社で様々な役職を経験して多くの書類を作成していたことで、助成金申請などの書類作成は比較的苦ではありません。しっかりと相手に伝わるように書けるようになったのは、間違いなく前職の経験が活きていると思います。全く異なる職種でも長年培った経験は活きると思います。
東京シニアビジネスグランプリに応募した動機やセミナー・ファイナルでの経験はいかがでしたか。
東京都立産業技術大学院大学のシニアスタートアップ・プログラムを受講した際に事業計画書を作成しました。そこで「第2回東京シニアビジネスグランプリ」を知り、応募しました。書類審査は通過しましたがファイナリストになれなかったので、今回はファイナリストになるのを目標に事業計画をブラッシュアップしました。ファイナリストでは、プレゼンで想いを伝える難しさを経験しました。大きい舞台で評価を受けて発表できることは非常にいい経験でしたし、ファイナリストの皆さんと繋がりを持てたことも素晴らしい経験でした。実際に同じ挑戦をする方たちとお話ができるのは非常にいいことです。
今後の事業プランを教えてください。
今後は靴だけではなく、いつまでもイキイキと人生を楽しんで欲しいという思いを持つ他業種の方たちと連携して、事業を進めていきたいと考えています。例えば洋服を作っている方やヘアメイクアーティストなど、内容は違っていても思いは一緒なので、協業して事業を展開していきたいです。最終的には高齢者専門のワクワクする商品を揃えたセレクトショップのようなものを展開していきたいと考えています。

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