事例集

●事例10

振袖からのファーフリー宣言
第3回東京シニアビジネスグランプリ ファイナリスト
 
株式会社Fafuri
丸山 恭子さん

代表者インタビュー

事業内容について詳しく教えてください
「ファッションのために動物を犠牲にしない生き方」をコンセプトに、成人式などで使用される振袖用ショールを毛皮や羽毛ではなく「エコファー(人工毛皮)」で製造・販売する事業を展開しています。
これまでにも振袖用エコファーショールは販売されていましたが、販売されているのは主に外国製です。事業を進めていくなかで、日本にはエコファーを製造する素晴らしい技術があることを知ったので、その素晴らしい技術を活用し高品質な日本製エコファーショールの製造・販売を進めていこうと決めました。
また、「振袖からのファーフリー宣言」の言葉と共に発信、販売し、これから日本をリードしていく成人式を迎える若い女性たちにファーフリーとアニマルウェア(動物福祉)に配慮した生き方を提案していきます。
起業した時の経緯を教えてください。
娘の成人式の時に、ショールを毛皮にするかしないかで悩んだことがきっかけです。最終的にフォックスのショールを選びましたが、動物の命が犠牲になっていることを思うと、後悔の念に駆られました。当時は他に毛皮の代わりとなる適切なショールがなく、友人の子供もフォックスのショールを着けていました。私がショールの悩みを友人に話したところ、友人も同じように悩んでいて、いいエコファーショールがあればいいのにと切望していました。この共通の悩みが、起業のきっかけとなりました。
その後、毛皮について調べていくと、劣悪な飼育環境と残酷な毛皮の剥がし方の実態を知り、動物にそんな苦痛を与えてはいけないと強く感じ、本格的に事業を始める決意を固めました。
また、同じ考えを持つ娘と協力し、相談しながら一緒に起業できたことが良かったです。
その思いから起業へはどうのようにステップを踏んでいったのですか。
まず起業に関しては全くの素人なので、TOKYO創業ステーションに何度も何度も足を運び、TOKYO起業塾や女性起業ゼミで勉強させていただきました。起業に関することをTOKYO創業ステーションで学べたことは非常によい経験でした。
商品の製造については、エコファーの製造工場が和歌山にあることを東洋経済新聞の記事で知り製造を依頼しましたが、海外のトップメーカーと取引をされている会社のため、なかなか相手にされませんでした。しかし諦めきれずその記事を書いた大学の教授に直接会いに行き、話を聞いていただいた結果、教授を介してなんとか取引していただけることになりました。
現在は商品の製造も開始し、サイトでの販売準備を進めています。今後は着物販売店などへ営業し、商品を取り扱っていただけるように働きかけていきます。
商品へのこだわりはありますか。
第一に日本製にこだわりを持っています。起業する際にECや実店舗などいろいろと調べましたが、日本製のエコファーショールを取り扱っているブランドがありませんでしたので、日本製にこだわりを持って商品を製作しようと考えました。
また、動物福祉の観点にもこだわりをもって商品を作っています。
シニア世代の方に起業のポイントなどを教えてください。
TOKYO創業ステーションで、プランコンサルティング(事業計画書作成支援)を活用することをお勧めします。プランコンサルティングで事業計画書を作成すると終了証を発行してもらえます。その終了証は東京都の制度融資や創業助成金の申請時に活用することができます。いざ申請しようと思っても、取得に時間がかかるためあらかじめ取得しておくことをお勧めします。
また女性起業ゼミは、非常に勉強になりました。今でも一緒に受講した方たちと励まし合いながら交流を図っています。
最後に今後の事業プランを教えてください。
エコファーで作られたショールだけでなく、他の種類のショールの製作も検討しています。成人式でのショールの常識を少しでも変えていきたいと考えています。ショールを単なる防寒着としてではなく、振袖のアクセサリーとしての価値を高め、見た目にも魅力的な商品を作りたいと思っています。
自分で製作したショールを着用してみたところ、普段使いにも適していることがわかりました。友人たちからも好評で、成人式用だけでなく普段使いにも活用できるので、是非皆様にも購入していただければと思います(笑)。

© Copyrights 東京シニアビジネスグランプリ All Rights Reserved.