事例集

●事例06

高齢者と環境に優しいスマート中古車の販売
第4回東京シニアビジネスグランプリ ファイナリスト
 
合同会社ちょいふるジョイフル
神原 久さん

代表者インタビュー

事業内容について詳しく教えてください
愛車選びをマンツーマンでサポートする事業です。SNSを通じてお客様から希望の車種探しを受注し、要望にあった車種を見つけ、衝突、修復履歴の事前チェックに加え、納車までに走行テストによる不具合の洗い出し、必要なら修理・調整を行います。車の引き渡し後に事故などに遭ってしまった場合は、事故履歴調査を元にした、原因の検証作業を行い、裁判などにおいてもサポートします。現在、webでお客様に対してマンツーマンなサービスを行う中古車販売企業はたくさんありますが、一人ひとりに対してそこまで時間をかけ、丁寧にサポートを行う事業は本事業以外にはないように思います。
起業のキッカケ、シニアビジネスグランプリへ応募の理由は何だったのでしょうか
起業のキッカケは、CDRアナリストの資格を取得したことです。これはドイツの自動車関連機器サプライヤーであるBOSCHが提供するツールを使い、車両の衝突記録データを読み出して分析するために必要な資格です。実際に日本でも有数のオークション会場のヤードで1日に10~20台のデータ解析を実施しました。そこでまず中古車のスケール感に圧倒されたこと、オークション会場が宝の山で見ていて楽しいなと思ったことから、古物商許可証を取得、それから中古車事業を始めてみようと思いました。その後、TOKYO創業ステーションで創業助成事業申請に向けてプランコンサルティングを利用しました。相談を進めていく中で東京シニアビジネスグランプリの存在をポスターで知り、プランコンサルタントに中古車事業を説明したところ、「面白いですね!応募してみてはどうですか」と薦められ応募することにしました。
なぜ高齢者と中古車事業を組み合わせたのでしょうか
以前、高齢者の運転寿命を延ばすための単行本制作企画に、アドバイザーとして参加したことがありました。その頃は社会的に中古車の信頼が落ちている時期だったのと、高齢者の運転事故が頻繁に起きて社会問題化していたのでその二つの問題を解決したいと考え、今持っている自分のノウハウや知見を合わせたビジネスモデルを作り上げました。
事業の特徴・強みはなんでしょうか
ある程度年齢を重ねると、免許返納を考えないといけません。もしかしたら次に購入する車が、人生最後の車になるかもしれません。定年を迎えてある程度の余裕が生まれてくると、今だからこそ買える車もあるわけです。「もしかすると人生最後の愛車選び」をテーマに、高齢者がいつかは乗りたいと思っていた愛車探しをお手伝いします。希望の車の安全性、信頼性をBOSCHが展開する事故履歴データ分析システムによって徹底チェックし、中古車に対する安心感を高めます。購入前だけでなく購入後も含めて、トータルでカーライフに寄り添い、少しでも長く楽しく、安心して愛車との時間を過ごしてもらえるように、可能な限りフォローしていきます。
社名「ちょいふるジョイフル」に込められた思いはなんですか
元々は、別の仕事で企画のひとつとして考えたタイトルが「ちょいふるジョイフル」でした。ちょっと古いけど、実は楽しい車を集めてみましょうという企画で始めたもので、そのまま使いました。ただ、会社名で領収書をもらう時には、少しだけ恥ずかしいですね。
シニアだからこそできる起業のポイントはありますでしょうか
わかりやすい目標の設定が大事であると思います。僕の場合は、自分の考えたビジネスモデルが世間的に通用するものなのかどうかを確かめてみたい、という目標がありました。自分一人でビジネスモデルを考えている時はこれが本当に商売になるのか不安になります。自分のアイデアを誰かに認めてもらうことは、力になると思います。
東京シニアビジネスグランプリに参加してみていかがでしたか
ファイナルまで残ることができるとは思っていませんでしたが、自分が考えたビジネスモデルに対して自信を持つことができました。そういう意味でもTOKYO創業ステーションを利用できたのは本当に良かったです。最初は民間企業によるスタートアップ支援事業の無料相談を利用していました。しかし事業計画を深めたところで、ここから先の相談は有料ですと言われてしまいました。TOKYO創業ステーションでは何回でも無料で相談が受けられ、非常に有難いと感じました。
最後に今後の事業プランを教えてください
当初、高齢者をターゲットに絞って事業をスタートする予定でしたが、実際には年齢を問わず幅広いお客様の要望に対応していくことになるかと思います。事業開始から中古自動車そのものの安心感を高めるサービスだけでなく、希望に応じて省燃費運転講習、安全運転講習を実施して、ドライバーのスキルアップのお手伝いもしていきます。将来的には環境負荷の低い次世代燃料への対応をサポートできるような、取り組みを進めていきたいと考えています。

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