事例集

●事例07

東京和茶体験
第4回東京シニアビジネスグランプリ ファイナリスト
 
合同会社KOZY
小山 克子さん

代表者インタビュー

事業内容について詳しく教えてください
幼い頃から慣れ親しんだ日本茶で、特に希少な東京産狭山茶の良さを幅広い方に知っていただきたいという想いから、効能や淹れ方についてのワークショップを行っています。海外において和食や日本酒の人気が高まっている中で、日本茶への認知はまだまだ不足していると残念に感じています。スイーツの材料として抹茶“Matcha”の認知は広がりつつあるので、飲み物としての日本茶も、多くの方に日常的に楽しんでいただけるようになればと思っています。ワークショップの内容は、日本茶の特徴をレクチャーした後、お客さまがご自宅に帰ってからも楽しんでいただけるように、お茶の種類に合わせた淹れ方を体験してもらうというものです。体験場所は固定ではなく、都内の宿泊施設のロビーや飲食店の間借り、レンタルスペースなどに都度出向いてご提供します。
起業のキッカケは何だったのでしょうか
これまでの長きにわたる広報PRをメインとする会社員生活の中で、社内はもとより社外からの依頼により、さまざまな事業成長の支援に携わってきました。支援する側ではなく、自分自身が事業の主体となったらどうなるのかと、以前から思いをめぐらせていました。いわゆる”紺屋の白袴”になってしまうのではないかという不安もありましたが、この事業が成功した際には自身のスキルに自信が持てるようになり、その事業経験が更に社内外の事業支援業務に役立つのではと考え、起業に挑戦することにしました。自身の持つマーケティング力・広報PRスキル・ティーチングスキルなどを活かし、お客さまを楽しませつつ、東京産狭山茶のブランド力向上に貢献できる事業を考えました。現在の勤務先には、役職定年制度やアクティブシニア制度があり、それらについて考えることも起業のきっかけとなりました。
その中で、起業で苦労されたことはありますか
先輩や同僚が役職定年や定年退職後に、さまざまな働き方を選択しているところを見てきて、私も起業や副業を漠然と思い描いていましたが、突然のコロナ禍となり、新しいチャレンジへは踏み出せずにずっと悶々としていました。そのような折、現在の勤務先で副業解禁の動きがあり、前に進む決心ができました。すぐに起業をと思いましたが、実際には会社の制度が変わるまでには時間がかかり、苦労しました。
また本業が多忙の時期になるとやはり起業準備は怠りがちになってしまったのは否めません。時間を上手に使わないといけないなと痛感しています。
東京和茶体験の特徴・強みはなんでしょうか
珍しいお茶を使用しているところが一番の特徴ではないかと思います。使用しているのは日本茶の中でもマイナーな東京産狭山茶です。非常に限られたエリアで少量しか生産されていないことが1つのスペシャリティで、モノ消費としての特徴がそこにあります。また、「東京和茶体験」は、お茶室で着物を着て正座してお茶を点てるといった敷居の高いものではなく、また通りがかりのカフェで購入して飲むだけでもない、ワークショップ体験を通じてご自身でまた淹れて飲みたいと思っていただけることを目指したコト消費としての特徴があります。
常設スペースを持たず、都度リクエストに応じられる、機動性の高い出前提供の形態をとっているのも、他にはない強みだと思っています。
事業支援の経験もある小山様が思う、シニア世代に向けた創業のポイントはありますでしょうか
事業を行うにあたり、目先の収益性よりも、身近な人の役に立つかどうかや、人生がより充実するかなどのやりがいを大事にした方がいいと思います。私の場合は、和食ブームで日本茶が儲かりそうだから事業化してみようというより、自分がお茶を淹れて海外のお客さまとコミュニケーションをとることがワクワクして楽しい、せっかく東京に来訪してくださっているのだから一つくらい東京らしい体験をして欲しい、そういう想いを大事にして起業プランを考えました。
あとは無理をしないことです。起業はオフィス賃料や人件費等一定程度の固定費が必要です。初めから都内一等地のオフィスや社員雇用などを考えず、シェアオフィスや業務委託、各種サービスを上手に使って、事業ステージに合わせて固定費をコントロールし、徐々にスケールアップしていくことが大切だと思います。
東京シニアビジネスグランプリに応募したキッカケ、グランプリファイナルの感想はいかがでしたか
起業に向けて、背中を押してもらいたいという想いから応募しました。コロナ禍が明けて本格的に起業準備をしようと考えていた頃に、SNSで東京シニアビジネスグランプリの存在を知りました。事業計画書を作り上げるにあたり、悶々と考えすぎて筆が進まない状態に陥っていたのですが、東京シニアビジネスグランプリへの応募を決めたことで自身に厳守すべき締め切り日を設定することができました。私は締め切りがないといつまで経ってもできない性格なのでありがたかったです。自分のビジネスプランを有識者に見ていただくチャンスだと思い、締め切りまでに精一杯事業計画書を完成させました。
また、普段本業ではイベントは運営側の裏方なのですが、グランプリファイナルに出演者として登壇した時はとても緊張しましたし、出演者の気持ちがわかってとても良い経験になりました。
最後に今後の事業プランを教えてください
「東京和茶体験」は、2024年10月に開業したばかりなので、これから実績を積んでゆっくりスケールアップしていきたいと考えています。まずは開業日に公開したインバウンド向け体験予約サイトからの受注を安定稼働させていきます。同世代の仲間内にはこのビジネスモデルに興味関心を持ってくれている人が複数いるので、一緒に楽しみながら商品・サービスをグレードアップさせ、お客さまの層やエリアを広げていきたいと思っています。
併せて、2つ目の事業の柱として広報PRコンサルティング事業を立ち上げていますので、こちらも着実に成長させていくつもりです。また、将来的には、東京産狭山茶以外の体験会や、広報PR、マーケティングコミュニケーションの勉強会など、ワークショップの形態で他にも展開できたら良いなと思っています。
会社HP:https://www.kozy.group/
    Japanese Tea Experience in Tokyo Japan 2025

© Copyrights 東京シニアビジネスグランプリ All Rights Reserved.