事例集

●事例08

クリエイター作品の「NFT化と販売」代行
第4回東京シニアビジネスグランプリ ファイナリスト
 
合同会社KOSHIRAE
成家 幸樹さん

代表者インタビュー

事業内容について詳しく教えてください
プロとアマチュアによるクリエイターアート作品の「NFT化と販売」代行サービスです。NFTは出品する際に「ガス代」と呼ばれる出品手数料のようなものがかかるのが一般的です。アマチュアにとっては、売れる前から経費だけがかかってしまう現行システムはあまり使い勝手がよいものではないと感じていましたので、本事業は成功報酬型サービスとして、売れなかった場合は費用がかからず、売れた場合のみ販売手数料をいただくシステムを構築しました。
クリエイターにとって非常に優しいサービスで需要がありそうに感じますが普及されないものなのでしょうか
残念ながら現在の状況としては、合同会社KOSHIRAEはまだ採算が取れていない状況です。元々ビジネスを考えたときはNFTやweb3が世界的に盛り上がっていた時期でしたが、現在はAIの台頭により状況が変わってしまいました。NFTが冬の時代になっているように感じられ、売買に参加する方が少なく難しいかなと感じています。
日本はNFTを取り巻く法整備が遅れていることもあり、NFT参入ビジネスが停滞していますが、今後法整備が進むにつれて市場の拡大が望めますので、その時に向け、地道に実績を重ねていきます。
起業した時の経緯・エピソードを教えてください
2021年頃はNFTやDAOが盛り上がっている時期でした。私自身は長年クリエイティブの仕事をしていることもあり、新しいものが好きで、NFT業界を覗いていたところ面白そうだなと感じていました。実際に自分でもNFTを作って販売する経験をしてみて、今後この業界が盛り上がりそうだと感じました。起業を考えた時点で、NFT代行サービス企業をリサーチしたところ4社ありました。基本的にどの企業も普通の販売代理業で、最初に手数料を取るシステムでした。そうではない新しいビジネス形態として、メルカリのような売れた時だけ手数料を取るサービスを考え、事業計画書を作成しました。
起業の中で苦労したことはありますか
現在進行形で苦労しているのですが、苦労している点は「ニーズに対する確信が持てず、大きな決断ができないこと」と「テックリードをなかなか見つけられないこと」です。今後は、TOKYO創業ステーションが始めたアクセラレーションプログラムに参加して悩みや経営相談をする中で、事態を打開できればと考えています。
業務内容の特徴を教えてください
写真やイラストが趣味の方にとっては、費用0、リスク0でNFTの販売ができる、ここが一番の特徴です。プロでもアマチュアでも、制作者がアート作品(デジタルデータ)を送っていただければ、NFT化と販売を弊社で行い、売れた場合のみ、販売手数料をいただきます。万が一売れなかった場合には、費用はかかりません。
シニア世代の方に向けた起業のポイントを教えてください
正直、ファイナリストに選出されたのが自分でも不思議なくらいでしたので偉そうなことは言えないのですが、ふと思いついたアイディアを事業計画書に落とし込んだり、TOKYO創業ステーションで事業計画指導をしてもらったり、起業というものを身近にしていくことがポイントです。今の世の中の流れでいうと65歳が一つの区切りになってしまうので、その年齢になった時に起業という選択肢を考えるのはありだと思います。またやってみたいと思えることがあればやってみる価値はあると思います。例えば、東京シニアビジネスグランプリに応募してみるだけでも何かが始まるかもしれません。
東京シニアビジネスグランプリに応募した動機、また感想をお聞かせください
応募したのは、自分の事業プランが第三者の目から見て意味や価値があるものなのかを知りたいと思ったからです。起業してビジネスとしてやっていけるものなのかを知りたい、また何らかの評価を得られるなら資金調達ができるかもしれないと考えました。
最後に今後の事業プランを教えてください
NFTが冬の時代に入ってしまったこともあり、正直なところ、なかなか積極的にビジネス展開を図れない状況にあります。TOKYO創業ステーションで新たに始まったアクセラレーションプログラムを受講し、アドバイスを受けながら、事業計画をブラッシュアップし、早期に本格稼動させていきたいと考えています。今後はAIと組み合わせていくなど、多少ピボットして事業を進めていきたいと考えています。

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