令和4年度


既に世界に知られた商品で、狙うのは販売価格の適正化と新たな取引先の開拓

根岸産業有限会社
越境EC出品支援
海外での盆栽人気と共に上がっていった欧米での認知度
当社の前身は、神社仏閣の屋根職人だった祖父が立ち上げた園芸金物の製造会社でした。父がその技を活かして銅・真鍮・ステンレス製の如雨露を考案し、園芸用如雨露の製造専門会社に転換。以来、多くの盆栽家・園芸家の方に当社の製品をご愛用頂いています。
盆栽は海外でも人気が高く、日本へ修行にくる外国の方も少なくありません。そして、帰国の際には師匠と同じ当社の如雨露を持ち帰るため、その方の弟子も同じ如雨露を求め…当社の商品は次第に欧米でも知られるようになり、早い段階で海外との取引も始まりました。既に1996年頃には海外の会社による現地ECサイトで取り扱われ、現在は世界26か国で当社の如雨露が販売されています。

法外な値段での販売を排除しB to Bの新たな取引も始まった
既に海外との取引があった当社ですが、公社の越境EC出品支援事業は2度利用しました。その一番の目的は「適正価格での販売を促す」ためです。今は1日に4個の商品しか作れず多くの方をお待たせしているのですが、そうなると定価の倍以上の値をつけて販売する人が現れます。ですが越境ECサイトに出品すれば、検索すると一覧で値段が表示されるため、法外な価格は排除されるのです。

また、TOKYO MALLの集客効果、検索頻度の高いキーワードのおかげでバイヤーの目に留まり、そこからB to Bの商談にも発展。ニューヨークの3社との取引が始まりました。掲載商品を見て「他の種類はないのか」と、直接問い合わせてくれる方もいました。
そして、この事業の良さを最も強く感じたのはトラブル対応についてです。国内でも時折みられることですが、商品受け取り後にクレームによって返金させ、商品も返さない、ということがありました。その際にナビゲーターの方が一緒に戦ってくれ、商品も代金も取り戻すことができたのです。これは個人で対応しようと思ったら、大変なことだっただろうと思います。

自らアプローチすることでビジネスの「ご縁」につながる
海外に自社商品を出したいならば、まずはSNSのアカウントを作ることをお勧めします。頻繁な更新はしなくても大丈夫。興味を持ってくれた方からダイレクトメールが来るので、素早く返信することで新たなビジネスが始まります。なお、当社もほとんど更新しませんが、かえって「あまりメディアで取り上げられていない商品」と思われるようで、テレビなどの取材依頼が来ることもあります。

ECサイトの掲載時には、商品写真も重要です。私は背景が白く商品がきれいに見える写真ではなく、あえて乱雑な工場内の様子が映り込んでいるカットを使用しました。その方が「本当に一つ一つここで手作りしているんだな」と感じてもらえ、他社商品よりも目立つのです。
ビジネスはどこでどんな「ご縁」があるかわからず、意外なところで繋がりができるもの。自分からどんどんアプローチしていくことが大切です。
企業詳細
根岸産業有限会社
所在地 | 東京都墨田区堤通1-17-30 |
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代表者 | 根岸洋一 |
設立 | 1966年3月 |
資本金 | 300万円 |
従業員数 | 3名 |
URL | http://www.negishi-joro.co.jp |