令和7年度
コロナ禍を機に生産拠点を中国からベトナムに移管
子育て家庭の日常の困り事や不便さを解決するアイデア商品などを企画・生産・販売するメーカー。2023年に主力商品の生産拠点を中国からベトナムに移し、"ベトナム流”に慣れるべく奮闘中。
<活用した支援:海外進出サポート支援>
株式会社彩華生活
代表取締役 村田絵理子
目 次:
- コロナ禍を機に生産拠点を中国からベトナムに移管
- パートナー企業選び
- 試行錯誤を重ねたコミュニケーション
- 我が社の海外事業展開ストーリー
- まとめ
- 関連する支援
コロナ禍を機に生産拠点を中国からベトナムに移管
2005 年に通販サイトとして創業、2011 年に自社ブランド「HelloAngel」を立ち上げ、子育て中のママや女性のリアルな悩みに応える商品の企画開発を手掛けてきた。
ちょうど子育て中であった村田社長自身の経験も踏まえて商品化した「子ども乗せ自転車用レインカバー」が2013 年に大ヒット、累計30 万個の売り上げとなっている。また、子育て中のママ1,000 人の声を反映して企画開発した「女性向け自転車用レインコート」は至る所に女性の意見を取り入れた商品として評価が高く、2018 年にはグッドデザイン賞を受賞している。
元々懇意にしていた中国企業に生産委託をしていたが、主力商品の売り上げが減少、また円安が進み輸入コストが上昇していた背景もあり、生産拠点を移すことを考え始めた。ちょうどテレビ通販での大口顧客との商談も始まり、チャイナリスクの軽減や関税の優遇が期待できるベトナムを移転先として検討し始めた。しかし、「それまで中国には定期的に訪問しており、中国企業とは日本語でやり取りできていましたが、ベトナムは行ったこともない国であり、日本語も通じないのではないかと1 年くらい悩みました」という。
ちょうどその頃、新たな取引先を開拓するため、公社の「ニューマーケット開拓支援」を活用し展示会に出展、「その時に海外進出についての話題となり、ベトナムでの生産委託についてお話したところ、公社事業の「海外進出サポート」で対応できるとのことで早速担当者をご紹介いただきました。」まさに渡りに船と、サポートを依頼することになった。
パートナー企業選び
ベトナムで生産を委託するパートナー企業について、公社ナビゲーターが提案したのが、日本への輸出実績があり、自社で周辺産業のサプライチェーンを構築できている台湾・韓国・中国系企業のべトナム工場だ。
ベトナムでは、主要材料はいまだに中国から調達されることが多く、いわゆるベトナム系企業だけでは限界もあり、顧客自身が周辺産業のアレンジをしないと生産を立ち上げるのは難しい。
しかも小ロットに対応できる企業となるとハードルはさらに高くなるが、「経験豊富なナビゲーターが当社の条件に合うパートナーを探してくださり、中国に材料手配の拠点と開発機能を保有する韓国系企業と台湾系企業の2 社に決定しました」。早速、レインカバーとレインコートを各社のベトナム工場で生産することになった。
試行錯誤を重ねたコミュニケーション
生産拠点の移転を検討し始めてから、パートナーの選定、工場を訪問しての現場確認とコスト検証、商品の発注まで1 年弱というスピード展開。生産は順調に開始できたものの、コミュニケーションの行き違いによる様々な問題の解決のため、試行錯誤の連続であった。実際、工場はベトナムにあるが、本社は韓国・台湾にあり、業務連絡はすべて本社窓口となるため、工場の現場との直接的なコミュニケーションがうまく取れないことがよくあったという。「社長さん自身にも弊社まで来てもらい直接打ち合わせをしたものの、実際の生産現場には十分に伝わらないこともありました」。
こうした行き違いは、長い間直接やり取りをしていた中国企業ではほとんどなかったことで、業務窓口と生産現場が異なることによるコミュニケーションの問題は初めてでした。「ナビゲーターの方からは、『生産関係は販売と違って同じ品質、同じ出来上がりの商品ができるように安定させるには時間がかかるので、中長期的な視点で見ることが大事』とずっと言われていて、最近ようやくベトナムの生産委託はこういう形なんだと思えてきました。今はコミュニケーションが非常に大事であることを痛感しており、依頼事項や問題点は、こと細かく指示し確認をしています」と村田社長。
苦労はあるが、「やはり関税優遇のメリットは大きい。さらにベトナムの工場には若い人が多く、国の平均年齢も30 代前半と若く、将来性を感じます。当社も土台を固めて発注数を増やして、ベトナムとともに成長していきたいです」。今後の発展が期待される。
我が社の海外事業展開ストーリー
パートナーを選ぶときは実態をよく調べる
「パートナー企業を選ぶとき、日本向けの生産をしているというベトナム企業も見て回ったのですが、下請けでやっているだけとか、間に商社が入って材料のアレンジを頼んでいるなど、実態は生産だけをやっている工場がほとんど。輸出の経験もなく、言葉の壁もあるとなると、こちら側の負担が大きくなります。コストは安いのですが、材料調達を中国に頼り、自社でサプライチェーンを構築していない企業が多いので注意が必要です」
言語の問題は重要! 日本語が通じるとやりやすい
「海外進出の際、言語の問題は重要です。中国・韓国・台湾などでは日本語ができる人材が多く、言葉の壁はほぼないといってもいいのですが、ベトナムではそうはいかない。当社のパートナーは韓国系と台湾系の企業で、本社とのやり取りが日本語でできるのは負担が少なく、助かっています」
世界有数のFTA網はベトナムの魅力
「ベトナムは多くの国と積極的にFTA(自由貿易協定)を締結しています。関税の優遇も受けられるので、世界に打って出ようとする企業には、有力な候補になり得ると思います。政情などを考えると、取引先を中国だけに頼るのはやはり不安。さまざまなリスクも考えて進出先を決めることが重要だと思います」
意思疎通をはかるため、指示を徹底
「当社のパートナー企業の本社は韓国と台湾にあり、ベトナム工場への業務連絡は本社を介しておこないます。ですが、その指示が本社から工場に伝わっていないこともしばしば。日本でも本社、支店、工場では考え方が違ったり、本社が現場のことを把握しきれていないことはありますが、国をまたいでいる場合はなおさらです。行き違いをなくすためには、指示を細かく出していく必要があると痛感しました」
地理的な問題が納期にも影響
「海上航路は中国に比べ、ベトナムからの便数は少なく、天候の影響で納期が大幅に遅れたことも。ただ、直行航路があるのはメリットです。ちなみに公社のナビゲーターの話では、同じアセアンの国でも、マラッカ海峡を境に、輸送時間に大きな差が出るとか。とくにシーズン商品の場合は、その差がネックになることもあるようです」
まとめ
当公社の海外進出サポート事業では、タイ・ベトナム・インドネシアをはじめとするASEAN 現地での直接的・主体的なビジネス実行を目指す都内中小企業をサポートいたします。支援テーマは、営業・製造拠点の設置やサプライチェーンの見直しなど幅広く対応可能です。企業規模や成長ステージに合わせ、進出手法の検討から実施までトータルで支援します。(※直接貿易、間接貿易は当事業では対応していません)また、海外進出サポート事業のほか、海外販路開拓の支援や越境EC出品支援など、幅広い支援を行っております。
ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ先:海外進出サポート事務局
TEL:03-5822-7241(代表)
E-mail:expa【AT】tokyo-kosha.or.jp
※迷惑メール対策のため、「@」を【AT】としています。
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企業規模や成長ステージに合わせ、進出手法の検討から実施までトータルで支援します。