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2026.1.13

海外進出を成功させるには?
必要なことを7ステップで解説

海外の都市群のイメージ画像

海外進出に興味はあるものの、「何から始めればいいのか分からない」「リスクが不安で一歩を踏み出せない」と感じている経営者・事業担当者の方は多いのではないでしょうか。海外市場には大きな成長チャンスがある一方で、準備不足のまま挑戦すると失敗のリスクも高まります。

本記事では、海外進出に必要なことを7つのステップで分かりやすく解説します。

海外進出に必要なこと【7ステップで解説】

海外進出による事業拡大を狙うなら、以下7つのステップで取り組んでいきましょう。

7つのステップ。①目的の明確化、②進出先の選定、③ビジネスモデルの検討、④事業計画書の作成、⑤社内体制の整備、⑥海外事業の開始、⑦進捗管理・改善。

各ステップについて、詳しく解説します。

1.)目的の明確化

海外進出を成功させるには、まず「なぜ進出するのか」という目的を明確にすることが重要です。売上拡大・市場開拓・リスク分散・ブランド強化など、企業によって目的はさまざまです。

自社が海外進出する目的を整理できたら、社内で共通認識として共有します。数値目標や撤退基準も併せて設定することで、事業計画書や投資判断の軸がぶれにくくなります。

2.)進出先の選定

進出先の国・地域は、市場規模や成長性、競合環境などのデータをもとに慎重に選定する必要があります。併せて政治リスクや為替相場、規制・関税などの制度、さらに文化・商習慣・宗教などのソフト面も調査が必要です。

総合的にマーケットを分析し、自社のビジネスと相性のよい市場を見極めましょう。

3.)ビジネスモデルの検討

海外進出においては、目的に合わせたビジネスモデルの選択が重要です。ここでは、以下6つの選択肢について、メリットやデメリットを見ていきましょう。

a. 越境EC

越境ECは、初期投資を抑えて海外販売を始められる手法で、中小企業でも取り組みやすいのがメリットです。AmazonやShopify、Shopeeなどのプラットフォームを活用すれば、小さくテストしながら市場の反応を確認できます。一方で、物流・決済・返品対応などの体制整備が求められます。

b. 間接貿易

間接貿易は、商社や輸出業者を通じて海外に商品を販売する方法です。すでに構築された流通網や販売ノウハウを活用できるため、海外取引の経験が少ない企業でも比較的スムーズに始められる点がメリットです。一方で中間マージンが発生し、価格や販売戦略を自社でコントロールしにくい点がデメリットとなります。

c. 販売代理店の起用

販売代理店の起用は、現地でネットワーク・販売力を持つ企業と協力関係を築く方法です。自社で営業体制を構築する必要がなく、スピーディーな市場開拓が期待できます。一方で、代理店の営業力や契約内容(販売目標や独占販売、解除に関する条項など)が成果に大きく影響するため、適切な代理店選定と契約管理が不可欠です。

d. 委託生産

委託生産は、海外の工場に製造を依頼し、製造コストの削減や供給体制の強化を図る方法です。現地生産により関税の負担を抑えられるケースもあります。一方で、品質や納期の管理、知的財産の保護など課題も多く、契約内容の精査や現地管理体制の構築が重要となります。

e. フランチャイズ

フランチャイズは、自社のブランド・ノウハウの使用権を現地企業に与え、ロイヤリティ収入を得るビジネスモデルです。多額の初期投資を必要とせず、現地企業の人材やネットワークを活用できる点がメリットです。一方で、自社が直接運営しないため利益が限定されやすく、ブランド価値の毀損リスクにも注意が必要です。

f. 現地法人の設立

現地法人の設立は、人材採用から販売、マーケティングまでを自社主体で行う本格的な海外進出の方法です。自由度が高く、長期的な事業成長や収益拡大が期待できる一方、初期投資や固定費の負担が大きく、撤退時にも高額なコストが発生します。そのため、綿密な事業計画書の作成と慎重な判断が欠かせません。

4.)事業計画書の作成

海外進出のエリアや形態が決まったら、調査内容をもとに事業計画書を作成します。事業計画書は、社内の意思決定や金融機関との交渉においても重要な資料となります。

売上計画や投資額、回収期間などの数値を明確にし、リスクも想定した現実的な計画を立てましょう。損失拡大を防ぐためには、撤退ラインを設定しておくことも重要です。

5.)社内体制の整備

海外進出を円滑に進めるためには、社内体制の整備が欠かせません。海外事業の専任部署や担当者を配置し、スピード感を持って準備を進めることが重要です。また、多言語対応や契約実務、税務・労務など専門的な知識を持つ人材の確保や、外部専門家との連携も成功のポイントとなります。

6.)海外事業の開始

社内の体制が整ったら、いよいよ海外事業を本格的に開始します。代理店や物流パートナーとの協力体制を構築し、現地での販売・マーケティング活動を開始します。

海外事業では想定外のトラブルが発生しやすいため、スケジュールに余裕を持たせることが大切です。問題が起きた際に迅速に対応するための体制整備も欠かせません。

7.)進捗管理・改善

海外事業は開始して終わりではなく、継続的な進捗管理と改善が不可欠です。売上・コストなどについて計画と実績を比較し、差異があれば早い段階で対策を講じましょう。市場環境や競合状況の変化に応じて戦略を柔軟に見直し、場合によっては撤退基準を踏まえた経営判断が求められることもあります。

海外進出で日本企業が直面する課題とは

ここからは、海外進出にあたって日本企業がよく直面する以下3つの課題について見ていきます。

1.)マーケット情報の不足

海外進出では、現地の市場規模や競合状況、消費者ニーズなどの正確なマーケット情報を十分に入手できないケースが少なくありません。インターネット上の情報は古かったり、偏っていたりすることも多く、誤った判断につながるリスクがあります。現地調査や専門家の活用によって、情報の精度を高めることが重要です。

2.)言語・規制などへの対応

海外進出では、言語の壁に加え、契約内容や商習慣、品質基準、許認可、税制など国ごとに異なる慣習・規制への対応が大きな課題となります。国内と同じ感覚で進めると、思わぬトラブルに発展する可能性もあります。契約内容の確認や法規制への対応は、現地事情に精通した専門家のチェックを受けることでリスクを軽減しましょう。

3.)販路構築に要する時間・コスト

海外事業では、販路の構築に想定以上の時間とコストがかかります。代理店の選定や交渉、物流の確保、販売チャネルの整備など、準備工程が多岐にわたります。

また、売上が安定するまでに一定の期間を要するため、投資回収が長期化しやすい点にも注意が必要です。余裕を持った資金計画と、明確な撤退ラインの設定が成功のカギとなります。

海外進出に必要なことは専門家に相談!

本記事では、海外進出に必要なことを7ステップでご紹介するとともに、日本企業がよく直面する課題・注意点について解説してきました。

海外進出には市場調査や事業計画書の作成、法務・税務対応、販路構築など幅広い専門知識が求められます。時間やコスト、リスク管理の面で、自社での対応が難しいと感じることもあるでしょう。

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【執筆】
東京都中小企業振興公社 販路・海外展開支援課 プラン策定支援担当