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2025年7月29日

コラム:支援レポート

ビジネスマッチング商談会 in Tokyo 開催レポート
~成長市場・インドネシアで、日本の技術が選ばれる理由~

商談会の様子

人口増加、急速な都市化、そして若年層の台頭——近年、インドネシアはASEANの中でも特に高い経済成長を遂げ、内需主導型経済としての存在感を増しています。食品産業をはじめとした消費財関連分野では、品質と安全性に優れた日本の製品・術への期待がますます高まっているのが現状です。

私たちは、こうした背景を踏まえ、日本企業と現地企業との具体的なビジネスマッチングをサポートする商談会を、7月2日に浜松町で開催しました。共催はインドネシア商工会議所、ジャカルタ商工会議所。テーマは「食品製造業」を中心に、インドネシア企業10社が来日し参加しました。

参加インドネシア企業をご紹介

来日した各企業の方々

PT Muliaboga Sukses Bersama(Queen Food):冷凍食品の製造・販売

PT Wahana Interfood Nusantara Tbk:チョコレート製品等製造業

PT. Suri Nusantara Jaya (SNJ Group):肉類商社/食品加工業者

PT Niramas Utama (Inaco Food):食品製造販売

PT. Sewu Segar Nusantara:フレッシュフルーツ、加工フルーツ商品の商社

PT Garindo Food International:食肉の加工や製造

PT BANGUN BUMI PERSADA JAYA:建築業

PT Sido Muncul:ハーブサプリメントメーカー

PT Agro Nusa Protindo:食肉加工・販売メーカー

PT Estika Tata Tiara Tbk:肉製品の食品加工メーカー

来日した各企業の方々
来日した各企業の方々

商談の様子

事前に予約のあった日本企業との商談は、1社あたり約40分ずつ、全7回にわたり午前9時半から午後5時の間で実施されました。通訳と当公社職員がファシリテーターとして同席。日本企業の製品・技術提案に対して、インドネシア企業側も真剣な姿勢で応じていました。中には「ぜひサンプルを試してすぐに導入検討したい」と即答する企業もあり、導入後の運用イメージが共有されるような商談も複数見られました。

特に印象的だったのは、日本の冷凍技術や食品パッケージ、包装機器への強い関心です。インドネシアでは中間層の生活水準向上により「安全で高品質な加工食品」への需要が年々高まっており、日本製の技術や装置に強い信頼が寄せられていることが改めて確認されました。

本商談会に参加した、合成樹脂原料・製品関連の専門商社である三井物産プラスチック株式会社の古賀氏は、インドネシア企業2社と商談を持ち、両社から包装に関する課題についての相談を受けました。

ハーバルシロップのカプセルやドリンクを製造・販売するPT Industri Jamu Dan Farmasi Sido Muncul Tbkからは、環境に配慮したエコなパッケージ素材の提案を求められました。これに対し、古賀氏は、該当素材、パッケージの技術を有し、すでにインドネシアに進出している日系企業を紹介することで双方合意に至りました。

一方、国内でフレッシュジュース用の缶を製造・販売しているPT Sewu Segar Nusantara (Sunpride)は、日本への輸出を計画しているものの、現在採用しているシュリンクフィルム付きの缶では、日本の輸入規制をクリアできないという課題を抱えていました。この点についても古賀氏は、缶への直接印刷に対しての親会社からの許可取得、またはテトラパックの活用といった代替案を提案。テトラパックについては情報提供も可能である旨を伝え、今後の連携に向けて前向きな一歩を踏み出しました。

20年以上前にジャカルタに駐在していた経験を持ち、本商談のファシリテーターを務めた当公社アドバイザーの朝比奈氏は、「インドネシア企業がここまで環境問題に真剣に取り組み、日本市場への進出にも積極的であることに感銘を受けた」と語ります。活発かつ実りある意見交換が行われた今回の商談会を通じて、インドネシアのさらなる発展とグローバル化の可能性を強く感じたとのことです。

ネットワーキングも実施しました

午前の商談後には、事前マッチング外の企業とも自由に話ができるネットワーキングタイムを設け、名刺交換や情報交換も活発に行われました。午後は再び商談に戻り、最大7件の商談をこなした企業も。終了後のアンケートでは、「非常に満足」「商談の質が高かった」「次回も参加したい」といった声が9割以上にのぼりました。

インドネシア市場進出に向けた“次の一歩”:
海外展開チャレンジセミナーのお知らせ

本商談会を通じて、改めてインドネシア市場のポテンシャルと、日本企業に対する期待の高さを実感しました。今後も、私たちは日本企業の皆様と現地企業との橋渡し役として、展開支援に力を注いでまいります。

そしてこのたび、8月に「インドネシア市場」をテーマとした海外展開チャレンジセミナーを開催することが決定しました。

日 時:令和7年8月7日(木) 13:00~17:30
方 法:ハイブリッド方式       
場 所:(会場)秋葉原UDX 6F
   *オンラインでも参加可能
参加費:無料  

本セミナーでは、以下のような内容を予定しています:

*現地ビジネス支援の第一人者、株式会社インドネシア総合研究所 代表取締役社長
アルベルトゥス・プラセティオ・ヘル・ヌグロホ 氏による「事例から学ぶ インドネシア展開ことはじめ」

長年インドネシア展開支援に携わり、公社インドネシアサポートデスクも担当している経験から、インドネシアとはどんな国か、実際どのような企業が進出しているのか等事例を交えてお話しいただきます。


*『インドネシアのリアルを知る』パネルディスカッション
モデレータ:株式会社ヌサンタラ総合研究所の小牧 利寿 氏、そしてパネリストにPT Niitaka Jpindo Makmur Senior Director 玉井 雅光 氏と前出のアルベルトゥス・プラセティオ・ヘル・ヌグロホ 氏を迎え、インドネシアの将来性と魅力、現地展開で難しい点、現地企業と日本企業との違いや共通点等を語っていただく予定です。

左からアルベルトゥス・プラセティオ・ヘル・ヌグロホ 氏、小牧利寿 氏、玉井 雅光 氏

「これからインドネシア展開を考えている」「過去に一度断念したが、再挑戦を検討中」という皆様にも、役立つ具体的なヒントが満載です。ぜひこの機会をご活用ください。
【締切:令和7年8月6日 15:00まで ※定員になり次第締め切らせていただきます。】

終わりに

当公社では、商談会やセミナーの開催、展示会への出展支援などを通じて、都内中小企業の皆様の海外販路開拓・拡大をサポートしています。海外展開にご関心のある方は、ぜひ毎月発行しているTokyo SMEメールニュースにご登録ください。支援制度のご案内や、セミナー・講座・商談会の開催情報など、海外展開に役立つ様々な情報をお届けしています。

【執筆】
東京都中小企業振興公社 販路・海外展開支援課 職員 河野有紀
経歴:2024年1月、東京都中小企業振興公社に入社。入社後、販路・海外展開支援課にて、アメリカ・ドイツへの拠点設立支援を行い、2025年度からは同課にて環境エネルギー化学分野の中小企業様を対象に海外展示会・販路開拓支援の事務局として活動している。

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