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令和7年度

成功事例紹介
成功事例紹介

初の海外展示会で大成功を収めタイ進出を加速

東横サポート有限会社

企業の強み💡

主力商品は、水の微粒子を噴射し、気化熱で周囲の気温を下げる冷却・加湿器「クールミストLine®」。多くの競合製品は3℃程度の冷却効果しかないが、この製品はコンプレッサーのエアーと水をミキシングした事で温度を8~13℃程度下げることが可能に。さらに、噴出する水の量がきわめて少ないため周囲の人や物をほとんどぬらさない点や、設置スペースがコンパクトな点も強みだ。ここ数年の売上額はうなぎ登りで、2024年度は対前年比で2倍以上に伸びた。

▲クリーニング工場

クールミストLineを設置したクリーニング工場の様子。以前は夏場以外でも40℃以上を記録していたが、導入によって27℃程度まで下げることができ、作業員からは好評を博している

海外進出を目指したきっかけ

グローバルナビゲータからの声がけを機に、冬期の需要拡大を目指そうと決意

以前は海外進出など全く考えていなかったと、東横サポートの代表取締役・山田一徳氏は当時を振り返る。だが、都内の中小企業が出店する展示会「産業交流展2023」で公社の「グローバルナビゲータ」*1から声をかけられたことが、大きな転機になった。

「当社は従業員数7人の小さな企業ですから、国内からの受注に応えるだけでも大変です。それに、十分な準備がない状態で海外に出ても、コピー品を作られるなどしてかえってマイナスになる危険性もあると考えていました。それで、商社などからクールミストLineを海外で売りたいという申し出をいただいても、ずっと断っていたのです。
そうした中で出展した産業交流展で、グローバルナビゲータの方から『この製品なら海外でも勝負できる』と言われたのです。
その時も、最初は尻込みをしました。ただ、冷却・加湿器は需要が夏場に集中しがちで、当社ではどうしても冬場が閑散期になってしまいます。その点、東南アジアなどに進出すれば、冬にも大きな需要が期待できると説得されました。それに、公社の支援を受けられれば海外進出の成功率は高まるだろうとも考え、2024年1月、海外展開プランの策定支援をお願いすることに決めたのです」

「海外展開プランの策定支援」を利用

各国の水道事情や水質、市場規模などを総合的に判断してタイを選択

山田氏は、公社の「プランマネージャー」*2と面談を重ねながら事業計画を検討した。進出する地域に関しては、冬でも気温が高いこと、日本から比較的近く親日国でもあること。そして、顧客になってくれる可能性の高い日系企業が多いことなどが決め手となり、タイを選んだ。

「タイ進出に先立って、気になっていたことが2つありました。1つ目は、タイの工業規格(TIS。製品の品質や安全性、性能を保証する規格で、日本のJISに相当)の規格認証を受ける必要があるかどうかです。しかし、公社のタイ事務所の相談員の方に調べていただいたところ、認証の対象ではないことが分かりました。特別な許認可を取る必要がないと分かり、輸出のハードルが下がってホッとしたのを覚えています。
もう1つ気になっていたのが、水質の問題です。日本の水道水はミネラル分の少ない『軟水』ですが、タイの水道水はミネラル分が多い『硬水』。そのため、使っている内に炭酸カルシウムなどの成分が結晶となり、水の微粒子を噴射するノズルに詰まってしまうのではという恐れがあったのです。そこで、現地で水質管理に携わっている企業の方を公社に紹介していただき、こちらも問題ないことが確認できました。
当社には、タイに従業員を送り込んで現地調査する余裕はありません。ですから、公社の方の手厚い支援が本当にありがたかったです」

「海外販路開拓支援プログラム」を利用

公社のサポートに助けられ、タイでの展示会で大きな反応を得た

クールミストLineは、「使えば良さが分かる商品」だ。デモンストレーションをすることで、周囲を水でぬらすことなく温度を下げる利点を存分に伝えられる。そのため、山田氏は2024年5月、同年11月にタイ・バンコクで行われる展示会で現地の顧客にアピールすることを決めた。ただ、当時の東横サポートは国内展示会には何度も出展経験があったが、海外展示会は全くの初体験だった。

「私自身、タイに行くのも初めてでしたし、タイ語も全く分かりませんでした。そうした中で、公社のご担当者が、移動やホテル、現地におけるお客さまとのやり取りをサポートしてくれる通訳者の方など、さまざまな手配を行ってくれました。さらに、展示会当日はブースで手伝ってもいただいたのです。もちろん、ブースの設営費用やリーフレットの作成、通訳費用などは、公社で負担いただいたのも大変助かりました」

東横サポートのブースには、予想をはるかに超える人々が詰めかけた。3日間の会期中に配ったカタログは約4000部で、ブース見学者はおそらく1万人を超えていたであろうと山田氏は当時を振り返る。

「これは、国内の展示会を超えるほどの反応でした。
出展前には、『言葉は通じなくとも、当社製品の良さはなんとか伝えられるのではないか』と考えてはいました。しかし、これほどすごい手応えがあるとは思ってもみませんでしたね。おかげで、海外進出できそうだという自信が芽生えたのです」

「METALEX 2024」の様子の写真
バンコクで行われた展示会「METALEX 2024」の様子。東横サポートのブースには多くの来場客が押し寄せ、急きょ通訳者を追加したほどの大盛況だった

海外進出の状況

年1000万円の売り上げ目標を前倒しで達成見込み

東横サポートは今、タイで事業を展開する日系商社と協業中。クールミストLineの販売や、購入者向けフォローなどを任せている。すでに数件の受注を獲得しており、3年以内に1000万円以上の売り上げを目指す目標だ。

「現在のペースなら、来年にはいち早く目標達成にこぎ着けられそうです。タイ事業に向けられるリソースには限りがありますが、商社とも協力しながら事業を拡大していきたいです」

一昔前に比べれば、海外進出へのハードルはかなり下がっているというのが、山田氏の実感だ。展示会向けのカタログや営業資料は、Google翻訳を利用することで、比較的短時間でタイ語に直すことができた。また、山田氏がタイに足を運んだ回数は、これまでのところ2回だけ。商社などとのやり取りは、オンラインミーティングとメールで済ませられている。
「もちろん、私以外の社員がタイに常駐したり、頻繫に出張したりしているわけでもありません。案ずるより産むが易しで、事前に想像していたより海外進出はスムーズに進んでいます。
ただ、それは公社の手厚い支援があったからこそだと思います。文化も商習慣も違う国に出て行くためには、最初の1~2年が肝心。公社の『海外展開プランの策定支援』や『海外販路開拓支援プログラム』を利用できたおかげで、うまくスタートダッシュを切れたのです」

東横サポート・山田氏からのひと言

山田一徳氏の写真

「公社の支えがなければ、当社のような小さな町企業が海外で認知され、販売までこぎつけるのは不可能だったでしょう。細かい所までサポートをもらえ、安心して海外に進出できますから、他企業の皆さまもぜひ挑戦をおすすめします。それが、自社の新たな可能性を引き出すことにつながるのです」

山田一徳氏の写真

東横サポート・タイ進出の道のり

2024年1月  海外展開プランの策定支援スタート
5月  海外販路開拓支援プログラムスタート
6月  海外展示会出展支援スタート
8月  タイにある商社との販売協力が決定
10月  タイ語資料の作成など、海外展示会の準備
11月  公社担当者とともに、タイの潜在顧客を訪問
11月  METALEX 2024(海外展示会)に出展
  • グローバルナビゲータ
    商社やメーカーなどのOBで、輸出取引の経験が豊富な、海外ビジネスの専門家。支援が始まると1名のグローバルナビゲータが各支援企業様の担当となり、海外販路開拓のハンズオン支援を行う。
  • プランマネージャー
    海外駐在経験を持ち、海外ビジネスプランの策定を支援する専門家。海外展開への助言、現地市場・商品情報の収集、プラン策定後のフォローアップなどを担当する。

会社概要

東横サポート有限会社

  • 創業:2006年
  • 代表取締役:山田一徳氏
  • 資本金:300万円
  • 従業員数:7名
  • 所在地:東京都町田市広袴600-1
  • URL:https://touyoko929.com/別タブで開く

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