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知財センター活用事例「ソナス株式会社」

技術の「価値」を裏付ける知財とともに顧客の「価値」を大切に考えていきたい

東京大学で省電力無線センサネットワークの研究をしていたメンバーを中心に、スタートアップとして成長を続けている会社。
IoT向け無線通信プラットフォーム「UNISONet(ユニゾネット)」を用いたソリューションをさまざまな産業に提供し喜ばれている。
2024年には海外にも進出する予定であり、社会貢献への取り組みが多くの「顧客価値」とともにさらに広がろうとしている。

代表取締役社長
代表取締役CEO:大原 壮太郎さん(中)
共同創業者:鈴木 誠さん(右)
取締役CFO:一木 伸彦さん(左)

主な権利

  • 2020年:特許 第6807113号
  • 2022年:特許 第7003384号
  • 2022年:特許 第7088582号
  • 2021年:商標登録 第6400473号
  • 2021年:商標登録 第6400474号

会社概要

  • 所在地:東京都文京区本郷5-24-2 グレースイマスビル6F
  • 電話:03-3830-0170
  • URL:https://www.sonas.co.jp
  • 業種:センシングに関する企画・設計・製造・販売
  • 設立:2015年(平成27年)
  • 資本金:1億円

代表取締役社長
代表取締役CEO:大原 壮太郎さん(中)
共同創業者:鈴木 誠さん(右)
取締役CFO:一木 伸彦さん(左)

「常識を越える無線技術」がさまざまな舞台で活躍

 代表取締役CEOの大原氏は、東京大学在学中に無線センサネットワークを研究していた。その後は大手電機メーカーに勤めていたが、東大大学院時代に同じ研究室で学んでいた鈴木氏らと共に、2015年にソナス株式会社を設立した。
 独自開発した無線通信プラットフォーム「UNISONet」は画期的であり、「常識を越える無線技術」とも呼ばれている。IoTの新たなソリューションとして、橋梁や発電所などのインフラ、ビル、工場の機械のモニタリングなどに積極的に活用されてきている。共同創業者であり、先行技術開発の責任者である鈴木氏は「『電源を入れてこんなにすぐに使えるんだ』と驚かれた時はうれしかったですね。今まで他のものを使っていたお客様から、『省電力なのにこんなに性能が高くて使いやすいのは助かるよ』と言っていただいたのも励みになりました」と語る。
 「UNISONet」を採用している業界は多岐にわたるが、大手鉄道会社でも「電化柱傾斜監視システム」に採用し、2021年から運用をスタートした。鉄道の架線の張り替え工事の際に、簡素・軽量化した「UNISONet」の機器によって工事の信頼性を確保できるのである。

「UNISONet」の特長
「UNISONet」の特長は、これまでの転送方式では実現できなかった、理想のマルチホップ無線を実現できるところにある。そのためさまざまな面で
大きなメリットがあり、幅広いIoTアプリケーションに有効である。

知財の重要性を深く認識し特許庁のプログラムに参加

 早くから知財の重要性を認識していた同社は、特許庁の知財アクセラレーションプログラム(IPAS)に参加した。これは、スタートアップの成長を加速させる知財戦略構築を支援するために、2018年から実施しているプログラムだ。この第1回の支援先となって知財を学んだのだが、これについて大原氏は「当時、全体的な知財のポートフォリオを描きながら、事業計画と紐付けて戦略を立てていきました。そうした中で、知財に詳しい経験者がいないけれど、どうにかしないといけない。そんなタイミングでWebでIPASのことを知って、オンラインの説明会に参加しました。その説明会の熱量がとても高かったことも参加の要因でした」と語った。

知財経営の体制構築のためのニッチトップ育成支援

 そして2020年4月から知財センター別タブで開くニッチトップ育成支援別タブで開くを受けた。IPASの後に継続してこの支援を受けた初めての会社である。大原氏は「IPASの支援期間は短かったので、さらに具体的に知財経営の体制を強化するためにお願いしました」と語る。これによって継続して課題解決に取り組むことができ、職務発明規程や営業秘密管理規程などの整備をはじめとして知財経営体制の基礎を構築できた。取締役CFOの一木氏は「全体を通してこちらが想像した以上の支援を受けたと感じます。日々コミュニケーションを取りながら、細かい部分までアドバイスしてもらいました。技術者たちに向けた知財セミナー別タブで開くも実施してもらうなど、実務の面でも教育の面でも非常に助かりました」と語る。さらには「商標まわりに関しても積極的にやり取りし、国内の商標は弁理士を介さずに自社で出願して登録できるようになりました」と続けた。

弁理士も交えたきめ細かな情報交換によるサポート

 将来的なグローバル展開も見据えて、海外における知財権も取得。「中国、アメリカ、ヨーロッパなど、それぞれに合わせた知財戦略を立てています。中国での商標に関するやり取りでは、弁理士も交えたきめ細かな情報交換によって知財センターにサポートしてもらいました。私一人で理解し判断するのは難しい事案で、アドバイザーの存在は大きかったです」と一木氏は語る。鈴木氏も「知財で困った時に何でも尋ねることができました。他者との契約交渉などについても親身に相談にのってもらいました」と続けた。

労働力不足などの問題へのソリューションで社会に貢献

 これからの知財戦略について大原氏は「技術の会社の価値を裏付けるものが知財だと思っていますから、引き続き力を注いでいきます。そのためにも全社的に知財意識を高めながら発明発掘を行っていきたいです。知財センターのアドバイザーには、ここまで伴走してもらったという想いが強いです。熱量を持って取り組んでもらい、しかもフラットにお付き合いでき、こちらに分かりやすい言葉で表現してもらえます。こういう機関を使い倒すのが、いいんじゃないかなと思います」と明るく語った。
 今後は振動計測などのソリューションに主軸を置きながら、センサの種類を増やし、その組み合わせでさまざまなアプリケーションを開発し、より顧客に提案できる内容を増やしていきたいという。「おそらくそうした応用過程を通して、また新たな発明が出てくるでしょう」
 そして先行きについて「今後、国内では労働力不足という社会問題が深刻化します。例えば、人が見守る安全管理、インフラの維持管理といったところがIoTに置き換わるとそれだけ省力化できますから、私たちの技術が確実に社会貢献できると考えています」と穏やかに語った。
 しかし、同時に大原氏はこうも語る。「それでも『UNISONet』の押し売りになってしまっては社会貢献につながりません。顧客価値、お客様目線を大切にしてこそ、私たちの技術が活きます。どのように『価値』に転換できるかを、これからも日々考え続けていきます」
 その優しいまなざしは常に、他者へ、そして社会へと向けられている。

地震モニタリング・構造ヘルスモニタリング向けの「SONAS無線振動計測システム」は、広範囲・高精度な計測を低コストで実現。構造物向け振動計測の、これからのスタンダードである。
無線計測ユニット。幅広いラインナップを取り揃えており、使用されている
業界も幅広いのが特徴である。

知財センターからのメッセージ

さらなる特許ポートフォリオの強化へ

特許庁のIPAS後、ニッチトップ育成支援によって、継続的な課題解決をサポートしました。知財経営を推進しながら会社が大きく成長するために必要な、今後に向けた知財管理体制の基礎の構築はできたと感じます。これからも取り組みを続け、さらなる特許ポートフォリオの強化につなげていただきたいと期待しています。
担当:西郷アドバイザー

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