知財センター活用事例「株式会社イアス」
自発的に考えることをベースにして特許の実用へと向かっていきたい
最善・最良の分析ソリューションを提供したいという想いを込めて設立された、半導体分析装置などのプロフェッショナル、株式会社イアス(IAS:International Analytical Solutions)。
多くの顧客のさまざまな要望を具現化できる技術集団として世界を舞台に活躍し、卓越した唯一無二の技術力とそのビジネスを支える知的財産によって、大きな信頼を獲得している。
テクニカルマネージャー:一之瀬 達也さん(左)
ラボチーム リーダー:河合 将史さん(右)
主な権利
- 2012年:特許 第4897870号
- 2017年:特許 第6156893号
- 2018年:特許 第6328003号
- 2020年:特許 第6695088号
会社概要
- 所在地:東京都日野市日野本町2-2-1
- 電話:042-589-5525
- URL:https://iasinc.jp
- 業種:半導体分野向け分析関連システムの製造・販売など
- 設立:2004年(平成16年)
- 資本金:9,000万円
テクニカルマネージャー:一之瀬 達也さん(左)
ラボチーム リーダー:河合 将史さん(右)
カスタマーファーストを真の意味でかなえたい
この国を支えている半導体産業。その重要な産業をさらに確実に支えている中小企業がある。株式会社イアス。この会社を2004年に設立した代表取締役の川端氏は、設立の経緯についてこう語った。「以前は分析装置メーカーに在籍していましたが、その装置で計測するための前処理などのサポートを丁寧に行うことができたらと考えたのです。本当の意味での、カスタマーファーストの会社を立ち上げたいと思いました」
半導体の製造において、その基板となるシリコンウェーハの金属不純物分析は、欠かすことのできない管理項目の一つ。同社の全自動気相分解(VPD)装置は、極めてミクロな世界の分析を可能にしている。「例えると、50mのスイミングプールに砂糖が数粒というのが1pptという世界。それくらい微量なものが、当社の分析装置で見えるんです」と川端社長。しかし、そうした性能の高い製品を製造・販売するだけではなく、常に顧客に寄り添った分析ソリューションを提供しようとしているのだ。
分解法を採用し、得られた回収溶液をICP-MS(誘導結合プラズマ質量
分析装置)で自動的に分析し、シリコンウェーハ中の微量金属不純物の
オンライン分析を行う。
ICP-MSの試料導入系として、各種ガス中に含まれる金属微粒子を直接
分析できる画期的なシステムである。
知財のことが分かる人材をしっかり社内に育成したい
そんな同社の知財について話を向けると「今まではまったく駄目だったんです」という意外な言葉が川端社長から返ってきた。「みんな仕事で忙しいですし、私一人が片手間に知財をやっていた感じです。しかし半導体業界の成長もあって急激に組織が拡大し、もっと知財に力を注いでいこうと考えました。特に私たちは売上のおよそ7割が海外ですから、中国などではしっかり特許を押さえておかないと問題も出てきます。かと言って、海外特許を全部取るとそれだけ費用がかかります。そんな時に外国特許出願費用助成事業
で支援してもらいました。これはものすごく大きかったですね」
さらに知財センターのアドバイザーから勧められたのが、ニッチトップ育成支援である。「知財に詳しい人材を社内に育成できるということでした。そこで、若手社員に教育してもらえるならありがたいということで申し込みました」
各国の知財に関する特徴的な体制なども学ぶ
テクニカルマネージャーの一之瀬氏はニッチトップ育成支援について「ちょうどコロナ禍の時期で、オンライン開催になってしまいました。でも、レクチャーの範囲はとても幅広かったです。知財や特許とは? から始まり、分類や検索のしかたなど、当社の実例やアドバイザーの経験談なども交えながら伝えてもらいました。そうした中で、いかに自分たちの技術を守っていくか、どう戦っていくかを考えることができました。海外における実例の紹介も多く、各国の知財に関する特徴的な体制も学びました。海外の競合相手がどんな特許を取得しているかも分析しましたね」と語る。
ラボチームのリーダーである河合氏は「体系的に学べる機会はなかなかないので貴重でした。基本的な知識にプラスして、当社が保有している特許の実例について話してもらったので理解しやすく、良い経験になりました」と語った。
特許を頭の片隅に置きながらアイデアを具体的な形へ
川端社長は「仕事の中でこうした知財に関わることは、一般的にはそうないと思います。それをイロハのイから学べる機会を社員たちが持つことができました。それにしても、知財では独特の日本語を使いますね。海外においても特殊な言い回しになります。技術を文章で表現しようとすると、分かりにくい表現になってしまったりします」と語る。
今後の知財の取り組みについて一之瀬氏は「学んだ内容をこれからどう活用できるか考えながら、継続して鍛えていきたいと思います。気になることがあったらすぐにWeb上のツールを使って調べることを習慣化したいです」と話した。これに続けて河合氏は「ある程度、特許のことが頭の片隅にある状態になりましたから、今後はアイデアを具体的な形にするように取り組んでいきたいです」と前向きに語った。
世界の最先端のニッチなマーケットで勝負し続ける
最後に、川端社長に日々大切にされていることについて尋ねた。
「当社は製品の品質や性能によって成長してきていますし、お客様へのサポートを何よりも大切にしています。そうしたことでリピーターを獲得し、長いお付き合いをさせていただけるケースが多いです。また、社員に対しては自発的に考えて仕事ができるようになってほしいと伝えています。会社の経営理念としては、イアスのIASが頭文字の言葉としてそれぞれIndependency、Accountability、Skillを掲げています。そうしたものを常に有するプロフェッショナルとして、一人ひとりが行動してほしいと思っています」と語った川端社長の言葉からは、社員を大切にしながら共に歩んできたという姿勢と誇りが伝わってきた。
「世界の最先端のニッチなマーケットで勝負できることは、面白いと思います。自分たちで新たなことをどんどん発見し開発できる会社ですから、新たな仲間たちと一緒に明日へ向かっていきたい」と胸を張る川端社長。知財におけるアドバンテージも携えながら、発明者であり、開拓者でもあるエンジニアたちが、今日も海外でも勇ましく活躍している。
知財センターからのメッセージ
若手技術者たちも知財力向上のエンジンに
主力製品である半導体製造工程の金属不純物オンライン分析装置は、競合他社の追従を許さない圧倒的優位を維持。その要因の一つに、先進的な技術開発の成果を国内外の知財で保護すること及びノウハウの蓄積があります。今後は知財活動の理論と実践を深めた若手技術者もエンジンとなり、知財力を維持・向上できるでしょう。
担当:河本アドバイザー
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