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知財センター活用事例「アコマ医科工業株式会社」

みんなで一つのチームという意識で知的財産や品質保証に取り組みたい

創業以来、医療機器の製造・販売ひと筋に歩み続け、2021年には創業100周年を迎えた。
日本初のアネロイド型血圧計や、独自開発した麻酔器と人工呼吸器の機能を持つ「アネスピレータ」など、「Made in Japan」の信念と誇りとともに、大切な生命を支えるさまざまな高品質の製品を医療最前線へと届けている。

薬機本部 薬機部 薬機管理課/法規知財管理課 課長代理:吉田 和正さん
薬機本部 薬機部 薬機管理課/法規知財管理課 課長代理:
吉田 和正さん

主な権利

  • 2019年:特許 第6567787号
  • 2021年:特許 第6944621号
  • 2018年:特許 第1605398号
  • 2025年:意匠登録 第6933819号
  • 2025年:商標登録 第6933820号

会社概要

  • 所在地:東京都文京区本郷2-14-14
  • 電話:03-3811-4151
  • URL:https://www.acoma.com
  • 業種:医療機器の製造・販売など
  • 設立:1921年(大正10年)
  • 資本金:1,000万円

薬機本部 薬機部 薬機管理課/法規知財管理課 課長代理:吉田 和正さん
薬機本部 薬機部 薬機管理課/法規知財管理課 課長代理:
吉田 和正さん

ニッチトップ育成支援を再び活用してスキルアップ

急性期NPPV(non-invasive positive pressure ventilation:非侵襲的陽圧換気)人工呼吸器として誕生した「ART-70」。
急性期NPPV(non-invasive positive pressure ventilation:非侵襲的陽圧換気)人工呼吸器として誕生した「ART-70」。

 2017年11月の取材記事でニッチトップ育成支援も含めたさまざまなエピソードを紹介したアコマ医科工業株式会社。その後、創業100周年を迎え、活躍の場は国内に留まらずさらに世界各国へ広がり、「ACOMA品質」が多くの人々に認められている。この背景には、変わらずに医療現場の声一つひとつを大切にしている同社の姿勢があり、大学や病院、医療機関従事者との信頼関係がしっかりと築かれている。
 そんな同社が、2022年から2回目となるニッチトップ育成支援別タブで開くを受けた。薬機部 薬機管理課/法規知財管理課 課長代理(他職務も兼任)の吉田氏は、入社した当初は研究開発部で開発を担当していたが、その後は品質保証部に異動し、品質管理を担当している。法規知財管理の職務との兼任である。吉田氏はこう語った。「以前は知的財産部を設けていましたが組織変更を行い、薬機法やISO関係の仕事を行うISO推進課を合わせ一つの部門にしました。私はISO推進課に所属していた流れで、リニューアルされた知財部門の責任者になりました。そこで改めてスキルアップを図る目的で、もう一度ニッチトップ育成支援を受けることにしました」

急性期NPPV(non-invasive positive pressure ventilation:非侵襲的陽圧換気)人工呼吸器として誕生した「ART-70」。
急性期NPPV(non-invasive positive pressure ventilation:非侵襲的陽圧換気)人工呼吸器として誕生した「ART-70」。
革新的なデジタルテクノロジーとアナログテクノロジーを融合したハイブリッド麻酔器「PROVIDEND+i」。
革新的なデジタルテクノロジーとアナログテクノロジーを
融合したハイブリッド麻酔器「PROVIDEND+i」。
アコマ動物用麻酔器「Vetac 5」。動物医療の分野でも、その先進機能が大きく貢献している。
アコマ動物用麻酔器「Vetac 5」。動物医療の分野でも、
その先進機能が大きく貢献している。

社内標準秘密保持契約書を時代に合わせてアップデート

 コロナ禍の影響が残る中で、支援当初はオンライン中心の内容となった。「私が開発に携わっていた頃は特許に関して知財センターに相談別タブで開くしていましたが、当時私は知財全般についてそんなに詳しいわけではありませんでした。そこで今回の支援では基礎からしっかりと学びました。前回のニッチトップ育成支援で社内整備がかなり進められたこともあり、職務発明規程などは既に整備され、運用もできています。ただし営業秘密管理規程の策定などはやり残したということもあり、今回の中心テーマにしました。あとは契約関係ですね。社内標準秘密保持契約書が古いフォーマットでしたから、今の世の中に即するように見直しました。また、契約書をアップデートするだけではなく、社内体制の整備も含めて取り組み、社外に対してどう情報を開示するかなどを整理しました」

質問もしやすかった少人数による知財セミナー

 知財セミナー別タブで開くを中心に進められたニッチトップ育成支援。これについて吉田氏は「当社に特化した内容でしたし、少人数で質問もしやすかったですね。一般的なWebでのセミナーよりも中身が濃くて、より分かりやすかったと感じます。知財という分野は、しっかり学んでみると面白いものですね。元々、薬機法やISOなどで法律系の仕事をしていましたから、堅い文章を読むという面では下地もあったと思います。明細書に記載されている技術を理解する上で、開発部門にいた経験も活かせます」と、今までの経験を活かしながら学びを深められたと語った。
 ニッチトップ育成支援を受ける中で、社内でできることも少しずつ増えてきたと語る。「実用新案に関しては、知財センターに相談しながら自社で出願書類を書いて提出することができました」

現代においては社内の情報管理が特に大切になる

 知財センターのアドバイザーとのやり取りの中で特に思い出されることを尋ねると「入社時や退社時の誓約書について相談しながら作り込みを行ったことなど、印象に残っています。そうしたことや営業秘密なども含めて、社内の情報管理をどう行っていくかは、今の時代において特に大切なことですよね。止まらずにブラッシュアップすることも大事ですし、常にタイムリーな視点を持っている知財センターのアドバイザーがいることは心強いと感じます」とのことだった。

製品づくりの過程や企業を下支えする知財が大切

 吉田氏が仕事において大切にしていることを尋ねると、興味深い答えが返ってきた。「入社時から、一人の力で全部できることはないと思っているんです。一貫して製品のすべてに関わりたいという気持ちと同時に、みんなでモノづくりがしたい、チームとして同じ目的に向かって一つのモノをつくっていく過程を大切にしたいと考えていました。また、入社してから分かったことは、全体を下支えしていく品質保証のような部門もあること。ですから、現在所属している部門は、比較的自分の考え方にも合っているかなと思います。社内のいろいろな人と連絡を取り合ってどんどん質を高め、最終的にはドクターや患者さんたちに喜んでいただけるものをお届けしていく。そんな役割を与えてもらっていると思います」
 吉田氏の話から思い至るのは、品質保証も、知的財産も、すべてに共通して企業や製品づくりを下支えしていく性格があるという点だ。そして、チームワークを大切にする吉田氏は、兼任という形でそのポジションにいる。そのように話を向けたところ「知財に関する仕事は、自分に向いているとまでは言いませんが、やってみると面白さを感じますね。結局はいろいろな部門を回ったのも良かったと思いますし、工場や各営業所も訪ねました。そうした人間関係があることは大きなことだと思っていますし、みんなの顔が見える仕事にやりがいを感じます」と、やはりチーム想いの言葉が返ってきた。ドクターや患者さんたちの顔を思い浮かべながら日々懸命に取り組んでいる、アコマ医科工業らしい言葉だった。

知財センターからのメッセージ

営業秘密管理規程案の作成などにも取り組む

17回にわたる各種実務家向けセミナーの実施により、ほぼすべての知的財産法に関する基本的な知識およびスキルの習得ができたと思われます。さらに後半では営業秘密管理規程案の作成に取り組み、3種類の社内標準秘密保持契約書をアップデートできました。今後は応用力に磨きをかけ、課題に対する適切な対応を望むところです。
担当:星アドバイザー

ご活用いただいた支援メニューのご紹介

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