知財センター活用事例「株式会社RABO」
目に見えない大切なことも含めて大切なものを守っていくための知財
「世界中の猫と飼い主が、1秒でも長く一緒にいられるように、猫の生活をテクノロジーで見守る。」というミッションのもと、「Catlog(キャトログ)」などの開発とサービスの提供を通して、誰もが大切な存在を大切に想うことを尊重する世界の実現を目指している。
さらには「Pawlinq(パウリンク)」という犬専用のスマート首輪も開発。
愛猫家、愛犬家たちの絶大な支持を得て、海外展開も拡大している。
Chief Cat Officer:ブリ丸さん(中)
Chief Cat Officer(Assistant):おでんさん(右)
主な権利
- 2021年:特許 第6873526号
- 2022年:特許 第7028500号
- 2019年:意匠登録 第1649345号
- 2019年:商標登録 第6163262号
- 2020年:商標登録 第6318146号
会社概要
- 所在地:東京都渋谷区東3-9-19 VORT恵比寿maxim
- URL:https://rabo.cat
- 業種:猫用・犬用デバイスの企画・開発・製造・販売
- 創業:2018年(平成30年)2月22日(猫の日)
Chief Cat Officer:ブリ丸さん(中)
Chief Cat Officer(Assistant):おでんさん(右)
大切な存在を守ることをテクノロジーでサポート
「すべては、猫様のために。」このストレートなタグラインが、株式会社RABOのすべてを象徴しているかのようだ。大切な存在を大切に想うことを尊重し、堂々と愛を注いで大切にできるように心から応援する。そんな世界を目指している。
誰もが、大切にしたい誰かがいるだろう。猫様に限らず、ペット、お子さま、パートナー、親、親戚、友人…など、みんなそれぞれにとって大切な存在がある。そんな存在を、関係性を、大切にできる世界がもっと広がっていけば、そこには今よりさらに素敵な何かが生まれていくだろう。そうした世界観を見据え、テクノロジーの力でサポートしていく会社が株式会社RABOである。
愛猫や愛犬や動物たちとさらなる愛の絆で結ばれる
同社では、創業初期から「Catlog」の世界観を実現するために活動してきた。「Catlog」には首輪型とボード型があり、首輪型は超小型でスタイリッシュなセンサーが愛猫の日常を記録し、愛猫特有の変化に気づくサポートを行うデバイスだ。ボード型は愛猫のトイレの下に置いておくだけで自動記録を行い、異変を察知するデバイスである。愛猫らしい毎日を知り、変化に気づくためのものが、今では累計約6万匹以上に愛用されている。
また「Pawlinq」という犬専用のスマート首輪も開発し、愛犬のためにも取り組んでいる。そのタグラインは、「悔いなき愛を、きみに。」伊豫CEOは「動物は全て愛しい存在ですし、大切な存在を大切に想うことを尊重する、それぞれの方々に寄り添っていきたいと思います」と語る。
そうした「Catlog」「Pawlinq」というプロダクト、サービスおよびブランドに関する知的財産について、同社は積極的に保護する活動を続けてきた。
見守り方法を選ぶことができる。
ためにフルチューニングした。
知財についての考え方と取り組みを自社サイトで公表
知的財産への取り組みをとても大切なものと考えていることは、自社サイトの「RABOの知財についての考え方と取り組み」と題したページにも表れている。特許、意匠、商標と、国内におけるさまざまな知財を取得。知財センターは2019年から利用し、各種の外国出願費用助成事業
を活用した。米国や欧州など海外でも知財の権利化に積極的に取り組んでいる。
伊豫CEOはこう語った。「猫様やワンちゃん、その他のペットという家族たちに対する想いは万国共通ですし、その行動も共通している部分が多いですから、グローバル展開をする上では非常に相性の良い事業ドメインだと当初から考えていました。ですから早い段階からグローバル展開も、猫様以外の動物への展開も全て視野に入れて活動してきました」
知財は経営戦略における価値創造のための重要な手段
さらに伊豫CEOが続けた。「創業当初からスタートアップには知的財産が経営における重要な資産の一つになると考えていました。知的財産権は、プロダクト・サービス開発から生まれた技術やデザイン、ブランドを守る手段であるとともに、その価値を事業成長につなげるための経営手段の一つであると考えています。今後もプロダクト・サービス開発やブランド価値向上とともに、経営課題を解決するための知的財産活動を継続的に実施し、ユーザーの皆さまに新たな体験を継続的に享受いただけるよう努めたいです」
大切な世界観を守るための大きな考えに基づく知財戦略
同社では現在の製品を模倣から守るだけでなく、海外市場への参入、猫様からワンちゃんへの事業領域の拡張、蓄積したデータを活用した新サービスや外部企業との協業など、将来の事業展開を見据えて知財活動を行っている。また、飼い主と動物たちとの関係性を含めたコミュニケーションまでデザインすることを大切に、プロダクトにもサービスにも丁寧さが織り込まれている。「猫様のいる暮らし」といったオウンドメディアでの飼い主サポートも、その一つの表れであろう。
そして、大切な人を大切にする。そんなところも伊豫CEOらしさである。知財の担当部門を社内に置くか、外部に委ねるか。その判断を聞くと、伊豫CEOはどちらでもないと答えた。「中畑さんという存在がいらして、その中畑さんが独立されていたのでお願いしました」
中畑さんとは、社外の知財専門家であり、この日同席した弁理士の中畑稔氏。体制を決めてから人を探したのではなく、信頼できる人がいたから託した。同社の知財はその信頼関係の上に築かれてきた。
One ip弁理士法人代表の中畑氏はこう語った。「当初から、単に出願件数を増やすのではなく、RABOが事業を通じて生み出している価値のうち、何を、なぜ守る必要があるのかを経営陣と議論してきました。世界観そのものを包括的・抽象的に独占できる単一の知的財産権はない。そのため、センシングやデータ解析等の技術は特許、プロダクトの外観は意匠、名称やブランドは商標というように、事業上重要な要素を分解し、複数の権利や契約、情報管理を組み合わせて保護することが重要です。また、現在の商品を守るだけではなく、海外展開や対象動物・サービス領域の拡張を見据え、将来の事業の選択肢を狭めないように知財戦略を設計しています」
大切なものを守るために、丁寧に、戦略的に。スタートアップの良いロールモデルとしてもますます注目される企業は、大切なことも教えてくれている。
知財センターからのメッセージ
データの蓄積からの新たなイノベーションにも期待
2019年から当センターの外国出願費用助成事業を継続的に有効活用され、米国や欧州などでも権利取得の実績を上げています。また、これまでのさまざまなデータの蓄積を新たなソリューションにつなげる活動を協業も含めて推進されているとのこと。グローバルなインフラからイノベーションにつながる展開にも期待しています。
担当:来住アドバイザー
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