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知財センター活用事例「株式会社創朋」

朋友と連携して歩みを進めればきっと知財の障壁も乗り越えられる

HDD・SSDの物理破壊装置、データ消去装置、大量コピーを可能にするデュプリケータなどを製造・販売。
さらにはデータ破壊・消去サービスを通じて安心で快適なデータライフサイクルの実現に貢献している。
感動的サービスの追求、創造力の重視を胸に、グローバルスタンダードの確立を目指している。

代表取締役社長:樫原 陽一郎さん(中) 取締役会長:樫原 富雄さん(右) 情報セキュリティ事業部 技術係長:金井 学さん(左)
代表取締役社長:樫原 陽一郎さん(中)
取締役会長:樫原 富雄さん(右)
情報セキュリティ事業部 技術係長:金井 学さん(左)

主な権利

  • 2017年:特許 第6132278号
  • 2020年:特許 第6705955号
  • 2022年:特許 第7108949号
  • 2025年:意匠登録 第1796723号
  • 2025年:意匠登録 第1796724号

会社概要

  • 所在地:東京都千代田区外神田6-6-1 斎藤ビル3F
  • 電話:03-5812-2151
  • URL:https://soho-jp.com
  • 業種:情報セキュリティ関連機器の開発・製造・販売など
  • 設立:1996年(平成8年)
  • 資本金:2,900万円

代表取締役社長:樫原 陽一郎さん(中) 取締役会長:樫原 富雄さん(右) 情報セキュリティ事業部 技術係長:金井 学さん(左)
代表取締役社長:樫原 陽一郎さん(中)
取締役会長:樫原 富雄さん(右)
情報セキュリティ事業部 技術係長:金井 学さん(左)

多くの技術やノウハウを蓄積しラインアップも豊富

デュプリケータは、大量のデータを正確に簡単に高速コピーできる。画像はSDカードデュプリケータ・データ消去機。
デュプリケータは、大量のデータを正確に簡単に高速コピーできる。画像はSDカードデュプリケータ・データ消去機。

 「1996年に設立した会社です。当時はDOS/Vパソコンが出始めた頃ですが、私たちも台湾から仕入れたパーツや組み立てたパソコンを秋葉原で販売しようと考えて、台湾人と3人で会社を立ち上げました。その後に付けた会社の名前が創朋。友達をつくるという意味だったんです」と語るのは株式会社創朋の樫原富雄会長だ。「その後はパソコンを利用した監視システムを作ったり、コンパクトディスク、いわゆるCDの普及に伴いデュプリケータと呼ばれるコピーするための複製機を作りました。続いて、ハードディスクに穴を開けて物理破壊する装置を一から設計したんです。現在はその電動式のものなどを主力製品として製造販売している状況ですね。こうした流れで多くの技術やノウハウが蓄積されていますから品数も豊富で、それが当社の強みかなと思っています」と、とても分かりやすく会社の歩みを語った。

デュプリケータは、大量のデータを正確に簡単に高速コピーできる。画像はSDカードデュプリケータ・データ消去機。
デュプリケータは、大量のデータを正確に簡単に高速コピーできる。画像はSDカードデュプリケータ・データ消去機。
フラッシュバーガーは、SSDやフラッシュメモリなどの記録媒体を破壊状態が目に見える状態に物理破壊する装置。
フラッシュバーガーは、SSDやフラッシュメモリなどの記録媒体を破壊状態が目に見える状態に物理破壊する装置。
ストレージパンチャーは、HDDやSSDなどの記録媒体を安全かつ効率よく物理破壊し、データを復旧不可能な状態にする装置である。
ストレージパンチャーは、HDDやSSDなどの記録媒体を安全かつ効率よく
物理破壊し、データを復旧不可能な状態にする装置である。

展示会で知財の話題を振られ危機感を抱いて学び始める

データ消去機。サーバールームへの持ち込み作業に最適なスタンドアローン型であり、すべての消去作業をライセンスフリーで実行できる。
データ消去機。サーバールームへの持ち込み作業に最適な
スタンドアローン型であり、すべての消去作業をライセンス
フリーで実行できる。

 進化し続けるデジタル社会では利便性が高まる一方で、データ量は増加の一途をたどっている。不要なデータや記録媒体の安全な消去・破壊は極めて重要な課題となる。そうした世の中からの要請に応える形で、同社の製品は開発された。
 そこで知財についてしっかり学び、取り組む必要があると感じたのは、製品の展示会がきっかけだったと二代目の樫原陽一郎社長は語る。「競合他社から知財のことについていろいろ言われたんです。それで危機感を抱き、遅かったかもしれませんが特許などについて学ぶようになりました」
 知財センターに相談別タブで開くするようになったのもそうした経緯であり、ニッチトップ育成支援別タブで開くも受けた。樫原会長は「知財について分からないこともたくさんあったので、相談しながら支援してもらい、会社としての実力も付きました。また、国内のみならず海外での知的財産権の取得も目指し、同時に海外輸出販路の拡大に向けた戦略も見直しました。情報漏えいの防止にコストをかけるのは主に先進国と呼ばれる国の企業です。それらの国で使用されているデータ破壊装置はサイズが大きいものが多く、当社のように軽くて持ち運びしやすい製品は、大きなチャンスがあると思っています」と語る。

データ消去機。サーバールームへの持ち込み作業に最適なスタンドアローン型であり、すべての消去作業をライセンスフリーで実行できる。
データ消去機。サーバールームへの持ち込み作業に最適な
スタンドアローン型であり、すべての消去作業をライセンス
フリーで実行できる。

現地の特許が輸出の壁となり知財戦略を再考しながら進む

 樫原社長は、アメリカにおける展開について語った。「販売に際して、現地の特許が輸出の障壁となったのです。しかし知財センターのアドバイザーからの助言もあって試作を繰り返し、問題解決への糸口をつかむことができました。海外市場での競争力を確保する上で、とても重要な一歩を踏み出しています」
 そして今後の展望を続けた。「台湾との関係は良好ですし、アジア市場での拡販は引き続き大きなテーマです。また、グローバル企業がアジアの各国にデータセンターを構えるという需要拡大を見据え、調達しやすい近隣国のメリットを活かして活動していきたいと考えています」

特許情報は新製品開発でも方向を探る大事な指針

 「国によって知財に対する考え方の違いがありますから、なかなか難しいですよね。そうした中でも相談しながら国ごとに戦略を立てられたのは、ニッチトップ育成支援の大きな成果でした」と語ったのは、情報セキュリティ事業部 技術係長の金井氏だ。「気軽に相談できますし、知財センターのアドバイザーは豊富な知識がありますから、広範囲に尋ねることができます。特許検索についても助言をもらいながら、J-PlatPatを使いこなせるようになりました。特許情報は新製品開発の方向を探る上でも大事な指針となりますから、常に注視する必要があると考えています」
 樫原会長は「ニッチトップ育成支援を通して特許や意匠を出願し、登録できたものもあります。また特定の国の知財に詳しい人や、特許事務所の弁理士との関係を新たに構築するきっかけにもなりましたから、いろんな人との連携ができて心強いです。自社だけで抱え込んでしまうと、知財の障壁はものすごく高いと思いがちですが、決してそうではないと分かってきました」と穏やかに語った。

世界中でのチャンスをつかみ企業として成長を続けたい

 最後に、樫原社長がこう締め括った。「海外展開においては、今後もさまざまな問題に直面するかもしれません。しかしその都度対応できる体制は整ったと感じています。今後、市場はもっと拡大し続けると思います。なぜならAIの普及などによりさらに重要度を増すデータセンターでは、依然としてHDDの役割が欠かせないという予測があるからです。入れ替えのサイクルにスムーズに対応するためにも、当社の製品が使われる機会は多いと考えています。こうしたチャンスをしっかりつかみ取っていくと、企業としてさらに成長できるでしょう」
 樫原社長からは、同社の経営理念の紹介もあった。お客様と共にある、顧客重視の姿勢。一人ひとりの人生を大切にする、社員重視の姿勢。そして人類社会からの大きな恵みに感謝するという、社会との調和の姿勢。そこにはまさに朋友を大切にする会社のDNAがあった。友との歩みは世界に拡大しているが、創り上げていく丁寧な姿勢は、確実に明日へとつながっている。

知財センターからのメッセージ

ニッチトップ育成支援は知財戦略具体化のチャンス

ニッチトップ育成支援を、知財戦略を具体化する絶好の機会と捉えてもらいました。HDD・SSD破壊機の進化・改良に常に取り組まれ、訪問するたびに新しい技術やアイデアの話題に。海外展開も進められ、海外への知財出願や侵害する知財がないかの確認など、地に足の着いたビジネスを展開されていると感じました。
担当:廣田アドバイザー

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電話:03-3832-3656(平日:9:00~17:00 ※12/29~1/3を除く)
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